知の泉

地方都市で子供に携わる仕事を、20年くらいやってます。受験・子育て・教育に関することやその他自分の知的好奇心をくすぐった話題を呟いています。時々自分で食べて美味しかったもの、これ欲しいなあというものも呟いたりしてます。

医学部・医学科の面接 何を基準に採点・評価しているのか?

 医学部医学科の面接で何を基準に採点・評価しているのか?

 医学部医学科の面接で何を基準に採点・評価しているのか? 

 

 推薦・AO・個別の受験、いずれにしても医学部・医学科の入試で「面接」というのがあるケースが多いです。

 

ご縁があって、医学科の面接を担当している友人に、医学部医学科の面接で、何を基準に採点・評価しているか話を聞いてみました。

医学科の面接で定番の「医学科の志望理由」は、最初はだまって聞いてるだけだって・・・

 当然と言えば当然ですが、医学部医学科の面接ですから、志望理由はきちんと喋れるように、高校でもしっかりと練習してきています。

 

定番なのは「自分が、(とか身内が)病気や怪我をして、親身に接してくれた医師がいて、自分もそうなりたいと思いました。」の類だそうです。

 

「ほら、そのパターン来たな」って黙って「うん、うん」と聞いているのだそうです。

 

他の関係者に聞いたところ、最近では「東日本大震災で大変な思いをした人たちをテレビで見て、何とか助けてあげられないかと思いました」というのも多いみたいです。

 

そして、一通り本人が練習してきた「医学部医学科の志望理由」を話し終わったな、と思ったら、

 

「で、本音の所では、どうして医者になりたいの?」って聞くんだそうです。

 

 医師になりたい理由の一つとして「東大・京大は無理だけど、医学部医学科合格だったら、たとえそれが地方国立大学だとしても自分も親も納得出来そう」ってのがあったりします。

 

確かにそうですよね。「あの人、現役で医学部医学科合格だって、凄い」とか言われるだろうし、親だって「お宅のお子さん医学部医学科ですってね。凄いですね」って言われることも多いでしょう。

 

そういった気持ちで医学部医学科を受験しに来た学生に面接で

「で、本音の所では、どうして医師になりたいの?」って聞いてみると、その生徒の「本気度」と「対応力」が分かるんだそうです。

 

最終的には、6年間しっかりと勉強し、国家試験にも合格し、そして大変な思いもしながら「医師」という仕事を続けていける人なのかどうかはその人の「本気度」次第。

 

その本気度の不足している学生はどこかで脱落していくのだから、そういった生徒を面接ではじいていくということなのでしょう。

 

その前段の「練習してきた医学部医学科の志望理由」は、みんな似たようなものだから、そこから、どれだけ自分の本気度出せるかが勝負なのかもしれません。

 

また、事前に学校などで何度も練習してきた志望理由なのに、「で、本音は?」と聞かれると正直どうしたら良いか分からなくなってしまうことでしょう。

 

そういった「どうしたら良いか分からなくなった時の対応」を見れば、その生徒の「対応力」が分かるということなのでしょう。

 

そういった「とっさの対応力」が、医学部・医学科の面接の評価・採点基準にもなっているようです。

医学部医学科のびっくり面接 見られている「対応力」と「コミュニケーション力」

あと、面接で定番の質問なら大概きちんと答えられる生徒でも、「想定してないようなびっくり質問」をするとその生徒の適性が分かる、とも言っていました。

 

まあ、医療の現場だって、その時その時びっくりするような場面に出くわすんだろうし、そこで、どれだけ冷静に対応できるかって、確かに大切なことだと理解できます。

 

例えば、東邦大学医学部の面接では、「居眠りしていた高齢者(に扮した試験監?)」が面接会場にいて、受験者には三角や四角、円などが書いているシートが渡されたそうです。その高齢者に、「口頭の指示で、同じものを書かせてください」というのです。ただし、次のような指示もあります。

 

「試験に際し、

1)身ぶり、手ぶりなどジェスチャーを使用してはいけません。

2)相手に図が描かれているシートを見せてはいけません。

3)相手が手にしている紙に直接指示を出し、ここに描いて欲しいなど指を差す行為をしてはいけません。

この指示書に従い、ここに示した図を目の前に座る男性に言葉で説明して、1分間以内に正確に描いてもらってください。」 (以上、東洋経済オンラインの記事を参照しました)

 

これも、前述の「で、本音は?」という質問と一緒で、

 

「どうしたら良いか分からなくなった時のとっさの対応力」を見て、その生徒の「対応力」を見たいということなのでしょう。

 

また、東邦大学の場合は「コミュニケーション力」をそなえた学生かどうかも見ているのでしょう。

 

医療の現場は、医師一人だけではありまえん。医師・看護師・放射線技師・薬剤師・カウンセラー・・・様々な人のチームワークで成り立っています。

 

そのチームの中で、うまくコミュニケーションを取ることは医療に携わる人にとって必須条件でもあります。

 

何も雄弁に何かを語れなくても、相手の喋っていること・言わんとすることをきちんと理解し、ゆっくりとでも、自分の思いを相手に伝えることができれば、医学部医学科の面接での高評価につながるはずです。

 

 医学部医学科の入試で面接落ち

医学科の入試の筆記は十分合格の手ごたえなのに、なぜか不合格。

 

まさかの面接落ち???

 

最終的な医師国家試験には「踏んではならない忌避選択肢」というのがあるのはご存じだったでしょうか?

 

忌避選択肢とは、

その選択肢に書いてあることを実際にやったら

①違法なもの

②倫理的に許されないもの

③患者が死亡するもの・死亡させうるもの

というものです。

 

医師国家試験では、いくら他の問題ができていても、忌避選択肢を(年によって2問とか3問とか違うようですが)選んでしまっただけで不合格になってしまうというものです。

 

もちろん、受験生の段階で、何をしたら患者が死亡するか?なんてことは分からないわけですから、面接で聞いても仕方ありませんが、

「違法なことにNOと言えるか」

「一般的な倫理観を持ち、その倫理観に反することにNOと言えるか」

といったことは面接で問うことができます。

 

例えば

「上司が賄賂をもらっているのを見たらどうするか?」といった面接での質問です。

 

これを馬鹿正直に

「いけない事だとは思いますが、職場の和を乱さないように見なかったことにします」とか、

「いけない事だと思いますが、自分の上司にやめるように言うことはできるかどうか自信はありません・・・」等と答えてしまったら、「忌避選選択肢を踏んでしまった」ことになりえます。

 

場合によったら、それが医学部の面接落ちの理由になっている可能性もあります。

 

医学部医学科の面接についてまとめ

以上は、医学科の面接担当をしていた友人からの話を元にまとめたものですから、全ての医学部医学科の面接にあてはまるものかどうかは分かりません。

 

でも、医学部医学科の面接で大切なことは

 

①なぜ自分は医師という職業に就きたいのかを日頃から本気で自問しておくこと

 

②勉強ももちろん大切ですが、日ごろから友人・家族とコミュニケーションをとること

 

③「どれだけ多くの事を知っているか」ということよりも「自分の知らない状況に直面した時に、どれだけその新しい状況に立ち向かおうとするか」が勝負だと意識しておくこと

 

④日頃から「守らなければいけないルール」は守るようにしていくこと

 

こういったことなのではないでしょうか。

 

面接では、自分の十数年の「生きざま」を面接官にぶつけてみてください。きっとあなたの今までの「生きざま」が面接官にも伝わり、それが高評価にもつながるはずです。

 

思いが叶い、合格の知らせが届くことを願っております。

 

以上、医学部・医学科の面接 何を基準に採点・評価しているのか?医学部医学科の面接に携わった人に聞いたことを元にまとめてみました。

 

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