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知の泉

地方都市で塾や予備校での仕事を、20年くらいやってます。受験・子育て・教育に関することやその他自分の知的好奇心をくすぐった話題を呟いています。時々自分で食べて美味しかったものも呟いたりしてます。

センター試験に代わる新テストの記述式問題について(H28/8/26)

大学入試センター試験に代わり2020年度に始める共通テストで導入する記述式問題

大学入試センター試験に代わり2020年度に始める共通テストで導入する記述式問題について、文科省は、受験生が出願した大学が採点を担う方向で検討を始めた、とのこと。

当初は、数学と国語で記述式導入の方向で、①記述式を12月以前に前倒しで実施②1月にマークシート式とともに実施――の2案を検討。①は採点期間が確保できるが、高校教育への影響が大きく、②は採点期間が約2週間しかなくて40文字程度で答える短文記述式しか出せないなど、問題点がある。

国大協も入試委で採点方法を議論。国語で出題▽入試センターはマークシート式の採点を担う▽記述式を利用する大学は受験生の記述式の解答をセンターから送ってもらい、採点する――という独自案をつくり、7月末に文科省も同席した会議で示した。入試委は独自案について、各大学が2次試験の合格発表までに採点すればよく、時間に余裕があるので出題の幅が広がると判断。また、センターが示す共通の採点基準に加え、各大で独自の基準を採用できるとしている。(以上朝日新聞デジタルよりの要約)

結局新共通テストで「国語の記述式」を利用する大学は少ないのでは?

上記の記事を読むと、結局「国語の記述式」を利用する、と決める大学は、自分の大学で手間暇をかけて採点業務をしなくてはならない。そもそも、採点の手間暇をかけたくないから「センター参加」している私立大学のどれだけが、わざわざ「国語の記述式」を採用することになるだろうか? また、国立大学の文系学部で、どうしても「受験生の記述式で国語の学力を求めたい」という大学・学部であれば、そもそも個別の二次試験で記述式の問題を今でも課してしているだろうから、わざわざそれにプラスして新共通テストの記述式を採用するメリットはなさそうだ。国立大学の理系であれば、わざわざ採点の手間暇をかけてまで国語の記述式を採用することはないのではないか。

今後、新テストの「実施方針」の来年度初めの公表に向け、大学、高校など関係団体の意見を聴くことになるそうだが、結局、大騒ぎして、どうにか国語だけでも記述式を導入することになったとしても、多くの受験生にとって、新テストの「国語の記述式」は「自分の受験には必要ない」ということになってしまうのではないだろうか。

大山鳴動して鼠一匹」・・・

新共通テストで「国語の記述式」の問題点

ひとつ、予想される問題点も指摘しておきたい。現状の「前期・後期」制度が踏襲されるとしてだが、例えば自分の前期受験大学と後期受験大学が異なった場合、「国語の記述式の答案」は前期受験大学、後期受験大学で2回採点されることになる。前述の記事によると、大学独自の採点基準が採用できるのだから、異なった得点になることも大いに考えられる。(というか、必然的に異なった得点になる。)

 

最近の大学入試では、後日自分の得点は開示してもらえるので、

「○○大学では○○点だったけど、××大学では××点だった」ということが本人に後日分かるし、今時だからそれをSNSにアップする人もでてくるだろう。そうなると、「共通テスト」の信頼性というものが大きく崩れる可能性もあることを指摘しておきたい。

 その後、「記述式の採点を民間委託の方向」という記事も出ています

kasikoi.hatenablog.com