知の泉

地方都市で子供に携わる仕事を、20年くらいやってます。受験・子育て・教育に関することやその他自分の知的好奇心をくすぐった話題を呟いています。時々自分で食べて美味しかったもの、これ欲しいなあというものも呟いたりしてます。

「津田塾大のイメージ・評判」「青学大のイメージ・評判」「MARCH行くなら地元国立大」~大学イメージ・評判の変化~

「津田塾大は女東大」ってイメージ・評判の時代もあった

津田塾大学

 

津田塾大が女東大ってイメージ・評判の時代があったって知っているでしょうか?

 

訳があって、80年代、津田塾大の知り合いも多くいました。今では信じられないでしょうが、当時は上智大蹴飛ばして津田塾大学とか、果ては東京外語大蹴飛ばして津田塾大学って強者?もいたのを知っているし、青山学院大なら津田塾大進学って時代でした。

 

東京女子大学、日本女子大学、聖心女子大学、フェリス女学院大学、清泉女子大学、大妻女子大学、実践女子大学、共立女子大学、昭和女子大学、白百合女子大学、武蔵野女子大学、跡見学園女子大学といった、いわゆるお嬢様女子大が難易度も人気もある大学としてそれなりのブランド力がある時代でもありました。

 

また、津田塾大学卒業生の1/3が生涯独身、1/3が一橋大学卒業生と結婚、1/3が一橋大学以外の卒業生と結婚、と当時言われた位に一橋大学との結びつきも強いものでした。当時、一橋大学の小平キャンパス(1~2年生のキャンパスで、今は国際交流センター)が近かったからでもあります。

 

津田塾大学と一橋大学の間の玉川上水沿いの散歩道は、通称「ラバーズレーン」と呼ばれ、今はなくなりましたが、「マ・メゾン」(小平店)という五日市街道沿いのおしゃれなレストランで密会デートというのも定番でした。一橋大学小平キャンパスがなくなった今でも、様々なサークルなどでは津田塾大学と一橋大学のつながりは強いようです。

津田塾大学と一橋大学の間の玉川上水 ラバーズレーン

津田塾大学と一橋大学の間の玉川上水沿いの散歩道

当時通称「ラバーズレーン」(2018/10撮影)

 

その後、GMARCH(学習院大・明治大・青山学院大・立教大・中央大・法政大)に代表される共学校が、女子学生の争奪戦を繰り広げ、2000年代初頭まで女子大の得意分野であった語学系、国際系の学部も取りそろえ、男子学生中心のバンカラなイメージを少しずつ払拭し、女子学生がどんどんGMARCHに流れ、結果女子大の入試難易度も凋落していったのです。

 

余談ですが、地方の高校には津田塾大学OBの英語の先生も多く存在したりします。津田塾大学の営業に回っている人が、そういった津田塾大OBの高校の先生に「入試偏差値が青山学院大学とかの下にあるのは許せない。もっと大学に頑張ってもらわないと・・・」とお叱りを受けることもあるのだとか。

 

親世代には難易度も人気も高いブランド大学というイメージがあるかもしれない。だとしたら、子供世代の認識とずいぶんなギャップがありますね。もちろん、今でも玉川上水沿いの静かな環境の中、津田塾大学で学びたいという人もいるでしょうが、多くはMARCHと津田塾大学両方受かったら、華やかなイメージ・評判のMARCHを選択する人が多いのが現状かも知れません。

 

今後千駄ヶ谷の津田塾大学総合政策学部の人気動向によっては、津田塾大学のイメージ・難易度にも変化が出てくるかも知れません。

 

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「青学はアホ学」ってイメージ・評判の時代もあった

 GMARCHの筆頭ともいうべき青山学院大学。入試偏差値・難易度でも、早慶上智大学と肩を並べるグループに位置しています。

でもそんな青山学院大学も、70年代くらいまでは、入試偏差値もそこまで高くなく、「青学?アホ学だろ!」ってイメージ・評判の時代もあったのです。その後、渋谷に近いおしゃれな大学、英語に強い大学というブランドイメージ戦略が功を奏したのか、今では早慶上智大学と難易度・人気ともに肩を並べる、受験生憧れのイメージの大学へと変身を遂げたのです。

 

「明治大学・法政大学なんて女子のいく大学じゃない」ってイメージの時代もあった

昔は、男臭いイメージのあった明治大学・法政大学ですが、今では女子学生が全体の1/3を占めるようにもなっています。もちろん理系学部の方は未だに男子比率が高いようですが、それでも「女子がいく大学じゃない!」って感じではなくなっています。特に法政大学は、田中優子総長の元、ハラスメント防止対策など含め、様々な取り組みをしているようですから、今後ますます女子学生も学びやすいイメージの大学に変化していくかもしれません。

 「MARCH行くなら地元国立大」というイメージ

田舎では今でもよく聞く話です。確かに、地方在住であれば、東京の私立大学に進学させて、アパート代払ってという経済的負担を考えれば、「MARCH行くなら地元国立大行け」という親の気持ちも分かります。

 

でも、違うのです。そういう親世代は、経済的負担以前に、「MARCHクラスの大学の価値がよく分かっていない」のです。確かに地元大学に進学して、地元企業に就職したり、学校の先生したり、地元で公務員したりっていうのであれば、地元国立大学で良いでしょう。もし、大手企業に就職して、場合によったら世界に羽ばたきたいって夢を持っているなら、断然「地元国立大学よりMARCH」の方が可能性が高くなります。(もちろん、都会で一人暮らしをさせる経済的な負担ができるという大前提ですが・・・)

 

しかも、ここ数年の「大学定員厳格化」(文科省の指導で、割増合格が減っている=合格する難易度がアップする)で、GMARCHクラスの大学に現役で合格していくのは至難の業になってきています。はっきり言うと、地方で、NO2,3クラスの高校で、地元国立大学がどうにか合格しそうって位の成績なら、ほぼGMARCHには届きません。それが最近の入試実態です。

 

地方国立大ボーダーくらいの成績なら、日東駒専(日大・東洋大・駒沢大・専修大)だって安全な滑り止めにはならないですし、現実的には大東亜帝国まで視野に入れないといけなくなります。

 

「MARCH行くなら地元国立大行け」という親世代は、ひょっとしたら、「私立大学は国立大学行けなかった人が行くイメージ」「私立大学で行く価値があるのは早稲田大学と慶応義塾大学くらいというイメージ」の時代を過ごしたのかもしれません。そのイメージから抜け出せず、「GMARCH」合格の現在のイメージや、「MARCH」に限らず、就職・資格試験その他で大学教職員を上げて生徒をフォローしている私立大学の現状が分かっていないのかも知れません。

 

「親と大学選択のイメージ・評判が合わない」のは当然

これまで見てきたように、昔のイメージのままの親世代と、現在の入試情勢を目の当たりにしている受験生では、「どの大学を選択するか」で意見が合わないのも当然です。子供には、子供なりの時代の中での選択があるはずです。

 

親が、そして子供が、それぞれ、今は「この大学の方がイメージ・評判が良い」と思っていても、数年後にはその大学のイメージ・評判が大きく変わっているかも知れません。

 

「良いイメージ・評判の大学だ」と思い進学し、「良い企業だ」と思い就職しても、その業界が凋落して路頭に迷う場面が来るのかもしれません。一時期、非常に人気があった政府系金融機関(長銀・興銀とか)に就職した優秀な大学卒業の優秀な学生も、職を失いました。バブル時代に証券会社に勤めた人も職を失いました。優良企業と思った会社もリストラがありました。これから先、地元国立大学進学から絶対安心と思う地銀就職組だって、合併・リストラで職を失うことがあるかもしれません。

 

「人間万事塞翁が馬」

 

高校生のあなたへ:受験においても、数年先のことは分からないのですから、今は「自分の信ずる道」をまっすぐに進んでいくしかないのではないでしょうか?

 

そして、親の世代の私たちは、「子供の信ずる道」を一緒に信じてあげることしかできないのではないでしょうか。

 

親と子供の大学選択の意見が合わないとしても、「幸せになりたい・幸せであってほしい」という気持ちは同じなのですから。

 

以上「津田塾大のイメージ・評判」「青学大のイメージ・評判」「MARCH行くなら地元国立大」~大学イメージ・評判の変化~についてでした。

 

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