自由権どれが大切か順番をつける??? 中学公民の教科書
中学3年生の公民の教科書(東京書籍)に、上のようなページがあります。
A 言いたいことを自由に発言する自由
B 住みたいところに住む自由
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H 自分の就きたい職業を選ぶ自由
I 手続きなしに逮捕されない自由
『これらを自分にとって「なくては困る」と強く考えるものを上から順に書きましょう』というのです。
しかもご丁寧に、右わきには「とても大切」~「それほど大切でない」と矢印までついています。「それほど大切でない自由」などあるのでしょうか。
「自分はこの自由が大切だと思う」という自分の意見を述べる自由があるのも確かです。また、自分の意見を自由に述べるという機会を持たせ、練習させるいう意図があるのかもしれません。
自由権の中で表現の自由が特に大切とされる理由
「言いたいことを自由に発言する自由」=「表現の自由」が、上記の中でも特に重要視されることがあります。
もし、表現の自由が侵されれば、例えば時の政府に批判的な意見を述べづらくなります。主権者たる国民の政治的意思決定をしていくためにも、民主政治の大切な過程として自由な言論が保障されるべきだと考えられるので「表現の自由」の大切さが強調されるのです。
しかし、上記の教科書ではそのような「表現の自由が特に大切とされる」ということを伝えようという意図は特に感じられません。また少なくても私が聞いた中3生によると、「グループでどれが大切か話し合って、それを発表して終了」という授業が行われてたそうです。
やはり「自由権のどれが大切か順番をつける」のには疑問
そうするとやはり、中学の授業で「自由権のどれが大切か順番をつける」ということは「あまり大切でない自由権がある」と子供の潜在意識に埋め込まれることにつながりはしないでしょうか?
やはり、「精神の自由」「身体の自由」「経済活動の自由」どれをとっても欠くことができない「大切な自由」であると教えるべきなのではないでしょうか。
自由権の大切な順番をつけろという教科書の構成・指導には大きな疑問を持たざるを得ません。