知の泉

地方都市で子供に携わる仕事を、20年くらいやってます。受験・子育て・教育に関することやその他自分の知的好奇心をくすぐった話題を呟いています。時々自分で食べて美味しかったもの、これ欲しいなあというものも呟いたりしてます。

【英検ガイドライン】英検どうなる~会場は?受験料は?どの級を受験すべき?~

【英検ガイドライン】英検どうなる?

英検が「各種目的に応じて求められる英検の品質についての考え方、ならびにその活用に関するガイドライン」を公表しています。読み込むと長いので、2021年度入試からの英語外部試験が必要な受験生(2018年現在の高校1年生から)にとって大切そうなところをまとめてみました。

英検ガイドライン

 

【英検ガイドライン】どうなる英検の会場~高校会場はなくなりそう?~

2021年度入試からの大学入試英語成績提供システム(いわゆる英語外部試験)で使われるのは、

『英検2020 2days S-Interview』

『英検2020 1day S-CBT』

『英検CBT』

この3つです。

 

既存の英検(実用英語技能検定)もなくなるわけではありませんし、大学の推薦入試やAO入試で使われなくなるわけではありませんが、国公立大学(あるいは私立大学)の入試で使われることになりそうな『英語外部試験』は上記の3つということです。

 

上記の『英検2020 2days S-Interview』『英検2020 1day S-CBT』『英検CBT』は、既存の英検と異なり、一次試験を合格した人が二次試験を受けてということではありません。一度に四技能「聞く(リスニング)」「話す(スピーキング)」「読む(リーディング)」「書く(ライティング)」の試験を受けることになります。

 

この辺の詳しいことは以下も参照ください。

 

kasikoi.hatenablog.com

  

今までの英検は、各高校での受験というのもあったと思いますが、今回のガイドラインには以下のように記載されています。

 

『会場品質』

協会が責任を持つ。規定で品質管理された公開会場であること。大学入試なら大学で実施されることが望ましい。

 

ということは、やはり今までの英検のように各高校で実施OKということではなく、

協会が設置する『公開会場』(大学など)で実施される方向ということですね。

 

おそらく、会場数も限られたものになるのでしょう。各都道府県の大きな都市在住の人は良くても、人口の少ない町村に住んでいる人にとってはやはり負担になりそうですね。(場合によっては宿泊が必要な場合もあるかもしれませんね。)

 

また、以下のような記載もありますから、同日実施でも『午前受験』『午後受験』というように時間帯がずれることもあるということなのですかね。

 

『同じ問題セットの使用期間』
午前・午後でも違う問題セットを使用する(問題漏洩の可能性を完全排除)

 

【英検ガイドライン】どうなる英検の受験料?

現在行われている『英検CBT』の受験料は

2級・・・7500円

準2級・・・6900円

3級・・・5800円

となっています。

 

今回の【英検ガイドライン】によると

『英検2020 2days S-Interview』『英検2020 1day S-CBT』『英検CBT』の受験料は

5800円~16500円ということです。

 

2018年から実施されている『英検CBT』の値段が据え置きということであれば、『英検2020 2days S-Interview』『英検2020 1day S-CBT』の受験料は最高で16500円という予定なのですね。う~ん、高い・・・

 

【英検ガイドライン】英検どの級を受験すべき?

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英検CSEスコアとCEFR(セファール)とは?

英検CSEスコアとは、簡単に言うと、英検を受けた場合に提供されるスコアということになります。この英検CSEスコアによって、CEFR(セファール)という指標がだされることになります。

 

「CEFR(セファール)」とは、外国語のコミュニケーション能力を表す指標のことで、欧米を中心に広く使われている国際標準規格です。 レベルは A1、A2 、B1、B2、C1、最高レベルのC2に分けられています。この6段階が、「大学入試英語成績提供システム」で各大学に提供され、大学入試の合否判定に使用されることが国立大学協会の申し合わせとなっています。

 

まとめてみます

 

・新英検『英検2020 2days S-Interview』『英検2020 1day S-CBT』または『英検CBT』を受ける

・英検CSEスコアが分かる(各級に合格したかどうかとは関係なし)

・それぞれの英検CSEスコアにより、CEFR(セファール)がA1、A2 、B1、B2、C1、C2の6段階に分けられる

その6段階のCEFR(セファール)が「大学入試英語成績提供システム」で各大学に提供され、大学入試の合否判定に使用される(各大学がどのように合否判定に使うかは未定のところもまだ多い)

 

CEFR(セファール)はどのように大学入試に利用されるのか

CEFR(セファール)がどのように2021年度大学入試に利用するかは2018年11月現在未発表の大学も多いですが、おおむね以下の3つに分類されます。

 

① 一定水準以上の認定試験の結果を出願資格とする。

 例えば東京外国語大学でA2以上が出願資格

 

② CEFR による対照表に基づき、新テスト(大学入学共通テスト)の英語試験の得点に加点する。

 例えば弘前大学は、『民間試験の結果を、「大学入学共通テスト」の英語の筆記試験の満点の2割を最高とした、6つの段階に分けて点数化し、評価に加える』としています。弘前大 英語の民間試験活用へ|NHK 青森県のニュース

 

③一定水準以上の認定試験の結果の場合、入学試験の英語の得点を満点とする。(みなし満点方式)

 例えば広島大学

 

④英語民間試験を必須としない

東京大学に続いて、名古屋大学が「英語の民間試験を必須としない」方針を発表しています。

 

名古屋大学では、2021年度の入学者を選抜する一般入試から、全ての志願者にCERFでA2レベル以上の英語力を出願資格として求めると発表しています。大学入学共通テストで活用される英語の民間試験の成績か、高校の調査書などの記載内容で確認するそうです。

 

結局、「名古屋大学では、英語民間試験が必須ではない」とはいえ、高校サイドではA2レベルの英語力があると調査書に書かないといけないのですから、実際は高校1年か2年の時に英語民間試験を受けさせて、A2レベルをクリアさせておくことが手っ取り早いということになるのではないでしょうか・・・

digital.asahi.com

 

以上のように、英語民間試験の活用の方法は大学によって異なることになりそうです。したがって、自分の志望する大学がどの方式なのかによって必要なCEFR(セファール)がどのようなものになるのか、今後の各大学の発表に注意が必要です。

 

 もう一度英検CSEスコアとCEFRの対照表をみてみましょう。

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 例1:「大学入試英語成績提供システム」で【CEFR】A2を出願基準とする大学を志望する場合


上図で【CEFR】A2相当の「英検CSEスコア」は1,700~1,949点の範囲です。
したがいまして、受験すべき英検®級は準2級、または2級となります。
準2級を受験すると必要なスコアは1,700点以上、2級は1,728点以上となります。
※なお3級では【CEFR】A2の取得はできません。


例2:「大学入試英語成績提供システム」で【CEFR】B1を加点対象とする大学を志望する場合


上図で【CEFR】B1相当の「英検CSEスコア」は1,950~2,299点の範囲です。
したがいまして受験すべき英検®級は2級、もしくは準1級です。
2級を受験すると必要なスコアは1,950点以上、準1級ですと1,980点以上となります。
※なお準2級、3級では【CEFR】B1の取得はできません。


例3:「大学入試英語成績提供システム」で【CEFR】B2をみなし満点とする大学を志望する場合
上図で【CEFR】B2相当の「英検CSEスコア」は2,300~2,599点の範囲です。
したがいまして受験すべき英検®級は準1級、もしくは1級です。
準1級を受験すると必要なスコアは2,300点以上、1級ですと2,304点以上となります。
※なお2級、準2級、3級では【CEFR】B2の取得はできません。

 

(以上は英検HPの『各種目的に応じて求められる英検®の品質についての考え方、ならびにその活用に関するガイドライン』から転載)

 

以上のように、自分の志望する大学がどの方式で英語外部試験を利用するかによって、受けなければいけない英検の級が異なってきますから注意が必要です。

 

そういう意味では、級が分かれていないGTECの方が、受験生にとっては気を使わなくても良いのかもしれません。

 

なお、補足です。

 

基本的には英語外部試験は、2018年現在の高校1年生は高校3年生の時に受験した2回の成績を使うことになっています。

 

ただし、文部科学省では以下のように述べています。

 

なお、以下に該当するような人には、高校2年の時の成績を活用できる例外を設けます。

・受検に極めて不便な地域にお住まいであるなど負担の軽減が必要な家庭の受験生で、高校2年の時点で十分な成績(すなわち、文部科学省が公表しているCEFR対照表のB2以上に該当する結果)を得た人


・病気で長期間入院しているなど受検の機会が得られない人

 

これらの例外は、条件に当てはまる限られた場合を想定しているものであり、大学入試のために英語4技能試験を受検することを高校2年の時点で促すものでは全くありません。


 また、既卒者については、受験準備の早期化の恐れがないため、受検年度とその前年度2年分の成績を提供できることにしています。

文部科学省HP参照

 

つまり、2018年現在の高校1年生が、2019年に英語外部試験を受け、仮に上記のような例外に当てはまる事態が起き、高校3年時に英語外部試験が受験できなかった時(例えば高校3年時に長期入院)には、高校2年次の英語外部試験の成績が、大学入試に使われる可能性があるということです。

 

現在高1の生徒も来年の高校2年次の英語外部試験をボーッとなんか受けてられないということですね。

 

以上、【英検ガイドライン】どうなる英検~会場は?受験料は?どの級を受験すべき?~をまとめてみました。