公立高校か私立高校かの選択 地方で起きつつある変化
東京などの地域と違って、地方の県では
第一志望の高校は公立高校
第一志望の公立高校に合格できなければ私立の高校
というのが大半のというところも多いですよね。
昨年位からちょっとでだしたのですが、今年になってどうもその傾向に変化が起きつつある感じです。
二番手三番手の地方の公立高校は最初から受験せずに私立高校専願という生徒が増えだしている
私のところの塾も今年複数名います。
二番手三番手の公立高校、あるいは普通科高校に手が届かず、工業系・実業系の公立高校を従来であれば受験していたであろう層の生徒たちが、最初から公立高校を受験せずに、私立高校専願で受験・・・
そんな生徒が増えてきている気がするのです。
ひょっとして、それはウチの塾だけで私が勝手に思っているだけかと思っていました。
でも、年始に会った同級生で中学教師をしている人たちも
『うん、そうなんだ。公立高校最初から受験しないで私立専願ってどんどん増えてるんだよね・・・』って言ってましたから、私だけの思い違いではないようです。
公立高校を受験せず私立高校専願の生徒が増え始めている理由
一つには、高等学校等修学支援金と県の高等学校修学支援費補助金があげられます。
昔なら、(少なくてもウチの地域では)家庭の経済状況を考えれば、
「何が何でも私立高校ではなく公立高校へ!」という風潮がありました。
ところが・・・
高等学校等修学支援金と県の高等学校修学支援費補助金という制度
(都道府県によって異なります)
年収目安 | 高等学等就学支援金 | 私立高校修学支援金加算 |
250万未満 | 24,750円(月額) | 4,950円(月額) |
250~350万 | 19,800円(月額) | 2,470円(月額) |
350万~590万 | 14,850円(月額) | |
590~910万未満 | 9,900円(月額) |
この高等学校等修学支援金と県の高等学校修学支援費補助金を考えれば、「経済的にどうしても私立高校ではなく公立高校で」という理由は少なくなってきているのではないでしょうか。
もう一つは、2020年4月から始まると言われている『大学授業料無償化』『給付型奨学金』をにらんだものです。
これは、ウチの地域だけのことなのかもしれませんが、
ウチの地域の(複数の)私立高校は、様々な私立大学に『指定校推薦』で進学することが可能です。
しかも今では一般受験で合格していくことが非常に困難になってしまっている『青山学院大学』『ICU』『同志社大学』『関西大学』『明治学院大学』といった大学も指定校推薦があったりします。
以前であれば、「私立大学なんてとても考えられない」といった経済状況の家庭も数多くありました。
でも、2020年4月から『大学授業料無償化』『給付型奨学金』ということになるのであれば・・・
「指定校推薦で名の通った私立大学に進学できる私立高校」が
「頑張って何とか地元の国立大学に入れるかどうかも分からない二番手三番手の普通科公立高校や商業系・工業系公立高校」よりも良いのではないかと思いだしている生徒・保護者が増えだしているのです。
首都圏では、大学の付属中学の受験者数が増えていると聞きます。これも「大学定員厳格化」による私立大学の難化減少の中、付属の大学にエスカレーターで入っていけるの大きな魅力だからでしょう。
地方においても、
『何が何でも公立高校』という風潮から
『二番手三番手の公立高校よりは指定校大学推薦のある私立高校』を選択という空気が静かに進行中なのです。
ただし、注意です。公立高校を受験しないで私立高校専願を選択という生徒は、早い段階で受験勉強をストップしてしまうことも多かったりします。
そういった生徒は、「最後まで公立高校に合格しようとして勉強し、残念ながら私立高校に入学した生徒」よりも高校入学時の学力に大きな差があることも多いです。
最初に躓けば、指定校大学推薦に必要な評定平均(内申点)に最終的に届かないってこともあります。
仮に「私立高校専願」と決めても、公立高校受験組と同じように、最後まで勉強を続けていくことが大切だと思います。
以上、公立高校か私立高校かの選択 地方で起きつつある変化について書いてみましたが、他の県の状況は分からないので、「ウチの県では・・・」という情報があれば幸いです。