英語民間試験 下村氏「東大に活用するよう指導を」党内会議で
以下2019/11/19のNHKの報道の引用です。
当時の東大の英語民間試験利用についてを振り返りながら備忘のため残しておきます。
今月導入が延期された英語の民間試験について、東京大学は去年4月、それまでの慎重な姿勢を転換し、活用へとかじを切りました。
今回、NHKは、その直前に開かれた自民党の会議の音声データを入手しました。そこでは大臣経験者が、東京大学に民間試験を活用するよう、文部科学省に指導を求める発言などをしていたことが分かりました。専門家は「大学が萎縮する発言だ」と指摘しています。これについて、東京大学は外部からの影響はなかったとしているほか、大臣経験者は「発言は当たり前で議院内閣制の意味も無くなる」と話しています。
自民党 教育再生実行本部の会合で
大学入学共通テストの英語の民間試験について、文部科学省は今月、導入の延期を決めましたが、その決定過程などが不透明だと批判されています。
NHKは、去年4月13日に開かれた自民党の教育再生実行本部の音声データを入手しました。
この会合には、自民党の国会議員に加えて、文部科学省の幹部や、大学の関係者なども呼ばれ、英語の民間試験をテーマに意見が交わされました。
当時、文部科学省は、民間試験を大学入学共通テストに導入すると公表していましたが、多くの大学はそれを活用するか、態度を表明せず、東京大学が去年3月に、現時点では入試に活用することは拙速だと会見で表明したことが注目を集めました。
会合では、主査を務めた遠藤利明元オリンピック・パラリンピック担当大臣が、東京大学の五神真学長らが訪ねてきて、会見の内容を説明したと報告しています。
さらに、下村博文元文部科学大臣が、東京大学の名前を挙げて、「間違ったメッセージを国民や他大学に対して、与えている。文部科学省は、よく東大に指導していただきたい」などと発言していました。
東京大学は会合の2週間後に、民間試験の活用を検討すると方針を転換しました。
大学入試の方法や内容は、憲法が保障する学問の自由に基づいて、大学の権限で、決めることになっています。
取材に対して、東京大学は、「文部科学省や政治家からの指導や問い合わせはありません」と回答しました。
英語民間試験導入について、H30の東大の対応について
以下、H30年の東大の英語民間試験の取り扱いの迷走ぶりの当ブログ過去記事からの引用です。
■国立大学協会総会(H30/3/8)
英語外部認定試験は、各大学・学部等の方針に基づき、次の方法のいずれか、または双方を組み合わせて活用することを基本とする。
① 一定水準以上の認定試験の結果を出願資格にしてね
② CEFR による対照表に基づき、新テストの英語試験の得点に加点する
まあ、どっちでも大学に任せるけど、必ず英語外部試験使ってね
■ツッコミ反応
・何だ、何だ、どんなのになるんだ?
・そもそも、複数の英語外部試験比べる、CEFRとかってあてになるのか?
・そんなの2021年度入試になんて間に合わせるの無理じゃね?
■東京大学 福田裕穂副学長(入試担当)(H30/3/10)
・異なる英語民間試験の結果の公正な比較なんて無理じゃね?
・だから東大は英語外部試験は合否判定には使わねえよ。
・まあ、(国大協の顔立てて?)民間試験の受験は求めることにするけどさ、
結果は入学後の英語力の調査などに使うくらいにしとくよ。
■ツッコミ反応
・おー! 流石東大! 8888!
・そうだ、そうだ~!
ベネッセとか業者儲けさせるだけの英語外部試験なんてやめちゃえ!
■再び東京大学 福田裕穂副学長(入試担当)(H30/5/1)
・ゴメン、
この前の、東大は英語民間試験合否判定に使わないっての撤回するわ。
東大は、英語外部試験を入試の合否判定に活用する方向で検討するよ。
東大、英語民間試験一転活用へ 大学新共通テストで :日本経済新聞
■ツッコミ反応
・ゲッ!何だよ。どこから圧力かかったんだ???
⇒この上記の東大の英語民間試験の対応の変遷のちょうど間の4/13に上記の下村氏の報道の発言『東大に活用するよう指導』があったということですね。
この辺の経緯は東大新聞オンラインも参考下さい。
■東京大学入学者選抜方法検討ワーキング・グループ答申 (H30/7/12)
東大の名誉のために、確認しておきますが、7/12の段階では下記のようなWG答申が出されています。
・WGとしては、次の3つを提案するけど、優先順位は1⇒2⇒3ね。
提案1:出願にあたって認定試験の成績提出を求めない。
提案2:認定試験をめぐる諸課題への対応について文部科学省ほか関係機関からの具体的かつ詳細な説明を受け、十分に納得のいく回答が得られたらその時点で
認定試験の活用可能性について検討する。
提案3:認定試験の A2 レベル以上の結果を出願資格とするが、一定の条件のもとに例外を認める余地を残し、可及的速やかに具体的な要件を定める。
あっ、これは東京大学としての最終的な方針決定ではないからね。
大学入学共通テストにおける英語認定試験の活用に関する東京大学としての方針は、WG の答申を受けて入試制度委員会及び入試監理委員会で審議され、最終的には総長が決定することになるんだからね。
■ツッコミ反応(オイラ)
・WG少しは頑張ったか・・・
・最後まで頑張って欲しいけど、でも、どっかから圧力かかって
提案1の「英語外部試験なんて使わない」にはならないのかなあ(アキラメ)
■各国立大学英語外部試験への反応
・オイオイ。東大どうするんだ?
・とりあえず、夏の時点での「2021年度入試予告」には
「英語外部試験も何らかの形で使います」or「今のところ未定」って発表しといて、
東大とか他の大学の様子みて決めようぜ。(イマココ)
以上、過去記事を含めて、東大の英語民間試験扱いの迷走についての経緯を備忘のために残しておきたいと思います。
なお、こういった経緯は、クリスマスローズさんの「大学入学共通テスト奮闘記」にも詳しく書いてありますので是非ご覧ください。