知の泉

地方都市で子供に携わる仕事を、20年くらいやってます。受験・子育て・教育に関することやその他自分の知的好奇心をくすぐった話題を呟いています。時々自分で食べて美味しかったもの、これ欲しいなあというものも呟いたりしてます。

【学校のPC 1人1台に】朝日新聞記事と経済財政諮問会議の議事録(令和元年11月13日)教育は儲かる?

【学校のPC 1人1台に】朝日新聞記事と経済財政諮問会議の議事録(令和元年11月13日)教育は儲かる?

朝日新聞他、いくつかのメディアで「学校でPCを1人1台に」という記事が出ていたので、元になる経済財政諮問会議の議事録要旨からの抜粋を記億と記録に残すためにまとめておきます。

 

「英語民間試験」「共通テスト記述式導入」とは異なり、「生徒1人にPC1台」ということに関して、「それはダメじゃん」という表立った反対が出るとは思えません。

 

ただ、いつ・誰が・どういう経緯で物事を決めていったのかということがはっきりしないと、後日色々な問題が出てくる可能性があります。

 

例えば

「役に立たないスペックのPCが導入されることになった」

「役に立たない教育・学習支援ソフトが最初からパックになっていた」

「気が付いたら特定の業者1社しか納入できない条件になっていた」

「学校内WiFi環境を整える業者も実質特定業者しか参入できない条件になっていた」

そんなことが起きないか個人的にとても疑心暗鬼になっています。

 

かつての行政とゼネコンとの癒着が問題となった時代から、今は行政と教育産業との間に何か不適切なつながりはないのか、注意してみていかないといけない時代になっているのではと思っています。

 

いつの間にか、「教育は儲かる」という発想の人たちが、行政に群がったりしてはいないでしょうか?

 

以下、【学校のPC 1人1台に】朝日新聞記事と令和元年11月13日の経済財政諮問会議の議事録についてメモ的に残しておきたいと思います。

digital.asahi.com

 

以下朝日新聞デジタル2019/11/20の記事の引用

 

西村康稔経済再生相は19日の閣議後会見で、学校で児童・生徒が1人1台のパソコンを使える環境を整えるための予算を、とりまとめ中の経済対策に盛り込むと明らかにした。ICT(情報通信技術)の教育機会について地域間格差を是正したり、国際競争力を強化したりする狙いという。


 西村氏は「配るだけでは活用が進まない」と述べ、外部人材を含めた教員の確保も検討するとした。13日の経済財政諮問会議で、安倍晋三首相が「パソコンが1人当たり1台となることが当然だということを、国家意思として明確に示すことが重要」と意欲を示していた。

 政府は2022年度までに「児童生徒3人に対して1台」をめざし、年間約1800億円を地方自治体に補助するなどしているが、現状は平均5.4人に1台にとどまる。

 

以下は

令和元年第 11 回経済財政諮問会議
議事要旨からの引用

開催日時:令和元年 11 月 13 日(水)

会議情報一覧 令和元年- 経済財政諮問会議 - 内閣府


(麻生議員) この学校のICT環境の整備というのは、僻地でもどこでも遠隔教育
やオンライン学習などと最先端の技術が学べるという点に関しては、教育の姿、将来
目指すべきものを達成するという上で極めて重要。ただし、義務教育における学校の
管理とか運営というのは、自治体が主体的に行わなければいけないので、自治体のや
る気に温度差があると、政府がICTの教育への効果と言っても、自治体の理解を得
ておかないと、どうにもならない。ここに都道府県の財政状況等による差はなくやる
気次第なのである。ICT環境の整備状況として、例えば、全国の公立学校の教育用
コンピュータ1台当たりの児童生徒数は、愛知県が7.5人に1台に対して、一方で佐賀
県は2人に1台である。
したがって、こうしたことを考えると、地方財政措置も活用しながら普及を図るこ
とは効果的だと思うが、例えば10年前に国が速やかにやるべきと言って電子黒板の普
及を図ったが、学校に訪れてもほとんど使われていない。
そういった意味で、上手く活用されなかったという例もあるので、ハードインフラ
だけではなくて研修体制というものをしっかりしてもらわないと、国が整備した後に
自治体において自己負担を含めた持続可能な運用というのを考えていかなければいけ
ないので、是非、検討していただくということをやる前にあらかじめお願いしたい。

(萩生田臨時議員) 麻生大臣がおっしゃるとおり、3人に1台分の予算を今までも
地方財政措置でずっと積み上げしているにもかかわらず、それをやっていない自治体
が、果たして国がハードだけ整備したからといって、運用していくのかという疑念が
残る。鶏と卵ではないが、結局パソコンがないから授業ができないのか、授業を教え
る人材がいないからなかなか普及しないのかという議論は省内でも存在し、今回、一
気に整備をしていただけるのであれば、教員の研修も含めて、その活用方法について
は無駄のないようにしっかり前向きに取り組んでまいりたい。

(西村議員) 総理、どうぞ。

(安倍議長) 今、麻生大臣、文部科学大臣からお話があったが、パソコンが1人当
たり1台となることが当然だということを、やはり国家意思として明確に示すことが
重要。しかし、今、鶏と卵で10年来の話であり、同時に、それに対応しなければいけ
ないという情勢を作らないと、今の状況がずっと続いていくのだろう。

(西村議員) 是非、人材プログラムを含めて、しっかりと検討いただきたい。
民間議員の方々から御意見いただく。

(新浪議員)(※注 サントリーホールディングス社長) まさに今議論されているとおり、地域によって差が出ないように教育の機会を均等化していかなければならないが、他方で教師の皆さんの負担をこれ以上増やしてはならず、書類作成の必要性などについて業務のBPRが必要。
また、パソコンを1人に1台配置するコストや、それを司るための人件費も必要
ろう。竹森議員からもお話があったが、地方交付税交付金ではなく、むしろ補助金を
しっかり準備して、さらにプラスアルファの人材も補強しなければならないのではな
いか。安倍政権として大きな一歩を踏み出すべく、是非お願いしたい。
教育格差が生まれてしまうようでは、全くもって子供にとって不公平であり、むし
ろ、テクノロジーを使って教育格差をなくすべき。その上で、それぞれの地域の自然
の中で育った経験を個性にしていくことが将来的に活きるのではないか。STEAM
教育のAはアートで、リベラルアーツである。地域でリーダーが育っていくような仕
組みづくりが大切で、そのためには少しここでお金を使ってもよいのではないか。是
非、御検討いただきたい。

 

今後も【学校のPC 1人1台】という動きに注目していきたいとも思って備忘として残しておきます。