知の泉

地方都市で子供に携わる仕事を、20年くらいやってます。受験・子育て・教育に関することやその他自分の知的好奇心をくすぐった話題を呟いています。時々自分で食べて美味しかったもの、これ欲しいなあというものも呟いたりしてます。

共通テスト第1日程と第2日程 どっちを受験するか?難易度に差はないのか?

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共通テスト第1日程と第2日程 どっちの日程を受験するか?難易度に差はないのか?

2020/6/17朝日新聞の記事によると2021年度大学入試の日程について、文部科学省は17日、高校、大学などの各団体と協議し、予定通り来年1月16、17日実施とする文科省案で合意したとの報道。

digital.asahi.com

 

共通テスト第1日程と第2日程を含めた2021年度大学入試スケジュール文科省案

文科省は近く、「大学入学者選抜実施要項」を発表し、入試全体の正式な日程や方法を関係団体に通知するそうなので、正式にはその通知を待ってからとなりますが、現段階での文科省案で、共通テスト本試験と追試験を含めた2021年度大学入試スケジュールを確認しておきます。

 

2020年9月15日

・・・総合型選抜(昨年までのAO入試)出願開始(当初予定より2週間後ろ倒し)

合格発表は11月以降

 

2020年11月1日

・・・学校推薦型選抜(昨年までの推薦入試)出願開始(当初予定通り)

合格発表は12月以降

 

2021年1月16日、17日

・・・大学入学共通テスト=第1日程(当初予定通り)

 

2021年1月30日、31日

・・・大学入学共通テスト追試=第2日程(当初予定より1週間後ろ倒し)

 

2020年2月上旬~中旬

・・・私立大学一般入試

 

2020年2月13日、14日

・・・大学入学共通テスト追試の追試=特例追試(新設)

 

2020年2月25日(以降)

・・・国公立大学二次試験前期日程

 

2020年3月8日(以降)

・・・公立大学二次試験中期日程

 

2020年3月12日(以降)

・・・国公立大学二次試験後期日程

 

共通テスト第1日程と第2日程、誰が受けられるか? A : 高3生は第1日程、第2日程どちらでも選択可能に

従来のセンター試験では、本試験時に病気などのやむを得ない事情があった時に、本試験後に申請をし、1週間後に追試験を受験することが可能でした。

 

朝日新聞記事によると

 

共通テストの追試は、従来は本試験の1週間後を予定していたが、新型コロナウイルスの潜伏期間をふまえて2週間後に設定。

本来は病気などやむを得ない事情で受験できない人が対象だが、長期休校による学習の遅れを理由に出願時に追試を選ぶことも可能とし、例年は2カ所だった追試会場は47都道府県に拡大。さらに病気などで追試を受けられない場合の追試も、その2週間後に設ける本試験と追試の得点調整はしない。各大学の一般選抜についても追試の設定を求める。

 

さて、ここで疑問です。

 

「長期休校による学習の遅れを理由に」というのは、誰が判断するのでしょう?

 

高等学校長か誰かの認証が必要なのでしょうか?

 

浪人生で、4月当初予備校の授業が思ったようには行われなかった人は対象になるのでしょうか?

 

あくまでも受験生個々人の申請で、共通テスト本試験を受験するか追試験を受験するか選べるのでしょうか?(記事を読んだ感触だと、このセンが濃厚なようですが…)

 

その辺のところはまだ文部科学省案でも煮詰まっていないのではないようなので、正式な発表を待たなければいけないと思います。

 

2020/7/19追記

 

来年の大学入学共通テスト 高3は2つの日程から選択し受験可に | NHKニュース

来年から始まる「大学入学共通テスト」について文部科学省は、予定どおり来年1月16日と17日を第1日程として実施する一方、新型コロナウイルスに伴う臨時休校の影響も考慮し、2週間後の1月30日と31日を第2日程として設定し、高校3年生は、いずれかを選択して受験できるようにすることを正式に決めました。

 

上記のNHKニュースによると、高校3年生は共通テストの第1日程(1/16,17)と第2日程(1/30,31)のいずれかを選択して受験できるようになったようです。

 

 

新型コロナ:共通テスト追試、浪人生は対象外に :日本経済新聞

浪人生については新型コロナウイルスの影響による学習の遅れを理由とする追試の受験は認められない。

追試を選択する詳しい要件や手続きは、共通テストを主催する大学入試センターが近く示す要項に盛り込まれる。萩生田氏は「(追試受験の要件に)学校長の判断を付けるかどうかなどを考えているが、基本的には(本試験でも追試でも)両方選べるようにしたい」と述べた。

 

また上記の日本経済新聞記事によると

・浪人生は「学業の遅れを理由に追試を受けることは認められない」

・(高3生は)本試験と追試験どちらでも選べるようにしたい(学校長の判断をつけるかどうかは未定)

とのことです。

共通テスト第1日程と第2日程、難易度に差はないのか?

仮に、受験生本人の申請で「出願時に追試験を選択することができる」となった場合、受験生には「共通テスト第1日程と第2日程どちらを受験するか?」という大きな悩みが生じてしまうことになります。

 

まず、センター試験の時は「本試験より追試験の方が難しい?」という都市伝説のような巷の評判がありました。

 

大学入試センターのHPをだいぶ探してみましたが、本試験の平均点と違って、追試験の平均点は(少なくてもHP上では)公表されていません。

 

したがって、本試験より追試験が難しいのかどうかは、客観的に(少なくても現状私たちには)分かりません。

 

新聞記事だと、本試験と追試験で得点調整はしないとのことです。

 

本当にそれでよいのか、文科省・大学入試センターは、少なくても今までの追試験の平均点を公表して、難易度に差がなかったことを証明すべきだと考えます。

 

しかも、仮に今までの本試験と追試験の平均点に有意な差がなかったとしてです・・・

 

今までの追試験は、病気・事故などで本試験を受験できなかった受験生が対象でした。つまり、本試験を受けた人と追試験を受験した人では学力が均等であったと考えられます。

 

ところが、今回は違います。

 

浪人生は基本、第1日程を受けなければいけません。

共通テストに自信がない受験生が、少しでも共通テストのための学習時間を確保したくて第2日程を選択するかもしれません。

難関大受験者は、少しでも二次試験の対策に時間が欲しくて第1日程を選択するのかもしれません。

 

そうです。第1日程受験者と第2日程受験者では学力の差がある可能性があるのです。

 

仮に、事後に第1日程と第2日程の平均点に差があった(あるいは差がなかった)ことが公表されたとしても、それが「難易度に差があったから」なのか「受験生の層に差があったから」なのかは検証のしようがないのです。

 

結論は、「第1日程と第2日程の難易度は違うのか、あるいは同じなのか、誰にも分からない」だと思います。

共通テスト第1日程と第2日程どっちを受験するのが有利なのか?

さて、第1日程と第2日程で仮に難易度に差がないとして、受験生は第1日程、第2日程のどちらを選ぶべきなのでしょうか?

 

例えば、難関国立大学志望者で、最初から二次個別試験が勝負!と思っている受験生。「1日でも多く二次対策したい。共通テストは早く終えてしまいたい」

そう思えば、第1日程を選択したいと思うかもしれません。

 

また、私立大学(一般)が本命で、共通テストは保険の国公立大学受験のために受験という人も、ひょっとしたら本試験を選択したいと思うのかもしれません。

 

一方で、二次試験配点の低い大学が志望の受験生にとっては、「共通テストで1点でも多くとることが目標」であれば、あえて出願時から第2日程を選択して受験したいと思うのかもしれません。

 

それと、これは今年特有の事情です。センター試験が共通テストに変わる初年度。受験生の手掛かりは二度行われた試行調査問題だけ。

 

「第1日程の問題を見て、傾向を確認してから第2日程を受験した方が有利になるのでは?」そういう心理から第2日程を選ぶ人がいるかも知れませんし、場合によってはそういう指導をする高校がある可能性もあります。

 

正直、第1日程、第2日程どちらを選ぶべきかは人によって違うし、正解はないような気がします。

 

文科省は、今まで振り回されてきた現在の高校3年生に「第1日程と第2日程どっちを受けたらよいのか?」という正解のない問いを投げかけ、またしても悩ませてしまうことになったのだと思います。

 

以上、共通テスト第1日程と第2日程 どっちを受験するか?難易度に差はないのか?について考えてみました。 


※9月入学の話題以来、文科省が「どう決めても、万人が納得する仕組み・制度」はないのではないかと自身では感じていました。

 

そういう意味では文科省の人も大変だろうとは思いつつ、本来お役人がすべきことは、「できるだけ早く方針を示し、決めた方針で不利益を受ける可能性のある人の不利益を最小にする努力をする」と力強く表明し、そしてその対策をし、受験生・保護者・学校関係者の不安を和らげることだったのではないかと思います。(願わくは文科大臣だけではなく総理の口からそういう決意を聞きたいのですが、それはないものねだりなのでしょう・・・)

 

現状は、それができていないから、あちこちから不安、不満の声が上がっているのだと思います。

 

これからもまだコロナ第二波、第三波が襲ってくるかもしれません。そういった時に、文科省、政府与党の皆様にはそういった姿勢で教育行政にあたっていただけることを強く願います。

 

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