知の泉

地方都市で子供に携わる仕事を、20年くらいやってます。受験・子育て・教育に関することやその他自分の知的好奇心をくすぐった話題を呟いています。時々自分で食べて美味しかったもの、これ欲しいなあというものも呟いたりしてます。

「理解できないことがあるってことを理解する」~小松由佳さん/高橋源一郎の飛ぶ教室より

「理解できないことがあるってことを理解する」~小松由佳/高橋源一郎の飛ぶ教室より

 

写真家の小松由佳さんと高橋源一郎さんとの話の中で印象に残ったことを書き留めておきたいと思います。

 

11/6の高橋源一郎さんの「飛ぶ教室」のゲストだったのがK2登山にも成功している小松由佳さん。

 

ゲストに呼ばれた小松さんは子供を2人連れてのゲスト参加。

 

イスラム教徒の人と結婚した小松さん。

 

高橋源一郎さん

イスラム教の人は宗教が違うと、もう絶対に受け入れられないというイメージもあるんですが・・・砂漠の中だから環境が厳しいから、逆に助け合わないと生きていけない。

 

小松由佳さん

はいそういうことですね。

(中略)

ラ―ハという言葉。

シリアでは、豊かな人生はラ―ハを多く持つ人生なんです。

直訳するとゆとり、休息という意味で、家族や友人と何もせずに団欒をする時間を指すんです。そういいう時間を持つのが彼らにとっての幸福、至福の時なんですね。

 

日本に生まれると、効率性や速さを求めるじゃないですか。それで、しびれを切らして、いつ休息を終えるんだ、いつ立ち上がるんだとやはりイライラしたこともあったんですが、年々その感覚が分かってきたんですね。分かってくると、なんて豊かな生き方なんだろうと思いました。

 

高橋さん

ラ―ハっていう生き方を持って暮らしてきた人と一緒に暮らすっていうのはラ―ハじゃない日本人にとっては大変なんじゃない?

 

小松さん

一緒に暮らして共生することの大変さに日々苦労してるんですが、でも一方でラ―ハの文化を持った夫と暮らすことで、いつも時間的にまた心に余裕を持って暮らすことの大切さを学ばされますね。

 

小野文恵アナ

今日はラドワンさん(夫)はどうしていらっしゃるんですか?

 

小松さん

今日は夫は家にいます。

 

小野さん

小松さんは子供を二人を連れて渋谷(NHK)まで来てくれた。

ラドワンさんが家で子守をすることはないのですか?

 

小松さん

伝統的にはアラブの男性は育児家事はノータッチ。

 

小野さん

でも7年日本にいるんですよね?

 

小松さん

日本にいるんですけど、やはりその部分は彼の流儀で変わらないんですよね。

 

高橋さん

日本人同士の夫婦だったら多分激論ですよね?

 

小松さん

私も激論を交わして、日本にいるんだから、私も働いているんだから育児家事協力してよって話し合いを結構したんですよ。ただそこで思ったのは、それが私側の価値観なんですよね。郷に入れば郷に従えっていうのが。彼の側からすると、どこに行っても自分の生き方は変わらない。時間をかけてお互いが生きやすい環境を受け入れていっているそういう状態です。

 

高橋さん

本当、思うんですよ、よく価値観とか文化の違う人が共生する場合、違うのは認めよう、でも郷に入っては郷に従えだよねって言うんだけど、その郷に入っては郷に従えも僕らの価値観なんだよね、これ自体。郷に入っても郷に従っちゃダメっていう価値観もある。

 

小松さん

前提が違うっていうことを理解すること、もっと言えば理解できないことがあるっていうことを理解することもすごく大切なんだなと思います。

 

私たちは、簡単に「多文化共生」といった言葉を使ったりします。(中学の公民の教科書にも載っていますし・・・)

 

「文化や価値観が違ってもお互いを理解していくことが大切」とも簡単に言ってしまいがち。

 

でも小松さんが言っていたように

「理解できないことがあるってことを理解する」

これが私たちに必要なことなのかもしれません。

 

そしてそれは、ひょっとしたら「(同じ国籍同士の)夫婦」「親子」「友人」全ての人と人の間の関係性にも当てはまるのではないかと感じました。

 

以上「理解できないことがあるってことを理解する」~小松由佳さん/高橋源一郎の飛ぶ教室より記憶にとどめるためのメモとして

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