知の泉

地方都市で子供に携わる仕事を、20年くらいやってます。受験・子育て・教育に関することやその他自分の知的好奇心をくすぐった話題を呟いています。時々自分で食べて美味しかったもの、これ欲しいなあというものも呟いたりしてます。

共通テストリサーチ B判定C判定D判定の意味・信頼度は? 度数分布表の見方 

2024年度の情報は下記から

kasikoi.hatenablog.com

 

以下は2023年度の記事になります

共通テストリサーチ B判定C判定D判定の意味・信頼度は? 度数分布表の見方

河合塾のバンザイシステム2023年度が稼働しました。皆さんの手元にもまもなく共通テストリサーチの結果が返却されてきますね。

 

以下は以前書いた記事を一部修正したものですが参考までに。

共通テストリサーチ バンザイシステム

共通テストリサーチ バンザイシステム

うちの生徒たちだけからではなく、ご縁のある様々な人からたくさん問い合わせが寄せられています。20年以上大学受験の生徒と付き合ってきた経験から、自分なりの解答をまとめておきたいと思います。

データネット(駿台・ベネッセ)の判定の意味は

A=合格可能性80%の得点
B=合格可能性60%の得点
C=合格可能性40%の得点
D=合格可能性20%の得点

ということになっています。

河合塾の判定、濃厚・ボーダー・注意の意味は?

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河合塾の判定で「ぴったりボーダーライン」なら合格率50%

河合塾でA判定なら合格可能性80%以上

河合塾でB判定なら合格可能性65%

河合塾でC判定なら合格可能性50%

河合塾でD判定なら合格可能性35%

河合塾でE判定なら合格可能性20%未満

という設定をしています。

 

ただ本当の合格の可能性を探りたければ、ABCDEといった判定だけで考えてよいわけではありません。

共通テストリサーチ・バンザイシステムでC判定、D判定だったけど受験するべきか志望校変更するべきか?

結論から言います。

分かりません。あなたのことですから・・・

 

でも、あなたが、あるいはお子様が決断を下す前に、ヒントになることはお伝え出来るつもりです。

 

まず、リサーチがC判定、D判定と言っても、それだけではどうしたらよいかは判断できません。B判定なら60%の合格可能性、C判定なら40%の合格可能性、D判定なら合格可能性20%といった数字で割り切れるものではないことを伝えたいと思います。

 

まず、自分の置かれている状況、B判定、C判定の意味、D判定の意味、E判定の意味を把握するために、確認してもらいたいものがあります。

 

それは「度数分布表」です。

 

共通テストリサーチ C判定D判定E判定で逆転合格できるか? 度数分布表の見方

データネット(河合塾・ベネッセ)の度数分布表のダウンロードの仕方

ベネッセ・駿台の度数分布表は、下記の方法で確認できます。

まず駿台ベネッセデータネット2023に入ります。

後でエクセルの表をダウンロードしますから、PCからの方が見やすいと思います。

 

データネット2023 大学入学共通テスト自己採点集計

①左側のメニューバーの結構下の方にある50音/大学別動向をクリック

 

②次に、左側のタブから「50音/大学別動向」をクリックすると下記画面になるので見たい大学名の頭文字をクリック

 

③次に確認したい大学名の「詳細」をクリック(今回は東北大学を見てみます)

④「度数分布表ダウンロード」をクリック(エクセルの表なのでPCからの方が見やすいと思います)

⑤こんな感じの「度数分布表」がダウンロードできます。

これでこんな、度数分布表が見られることになります。

 

 

例えば、東北大学経済学部(文系)前期の場合、A判定が昨年2022年度が505点付近だったのが、今年2023年度は515点まで上がっていることが分かります。

 

ここで注目したいのは、例えば自分が495点でB判定だった時、

「やった!B判定だから大丈夫そうじゃない」とはならないということです。

 

昨年の同じB判定ラインでは合格者8名に対して不合格者12名

決して油断できるラインではないということが分かります。

 

そもそもA判定ライン上の人だって、昨年は合格者6名ですが、不合格者も3名いたのですから。

 

逆に自分が475点でちょうどC判定ラインだとしても、昨年度の同じラインの人は

合格者4名で不合格者9名

今まで二次試験対策をしっかりしてきたのであれば全くあきらめるラインでもないということが分かります。

河合塾大学・学部・学科別学力分布(度数分布)はどこでどうやって見られるか?

河合塾の各大学ごとの度数分布表は下記から確認できます。

⇒2023年度 大学入学共通テスト特集 | 河合塾 Kei-Net

 

河合塾大学・学部・学科別学力分布(度数分布)を見るには

 

①上記より河合塾kei-netに入る

 

②河合塾サイト内「動向分析」の中の「大学別学力分布」をクリック

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③自分の志望大学の区分・地域を選択

そうすると大学・学部・学科別学力分布(度数分布)を見ることができます。(データネットと異なりPDFです)

 

また、データネットの度数分布はA,B,C,Dのラインになっています。

河合塾は「濃」「ボ」「注」のラインが表記されています。

 

同じ東北大学2023年度入試でも上記のデータネットの基準と河合塾の基準は異なっていることが分かります。

 

例)東北大学経済学部(文系)前期 

データネット

 Aライン 515点 / Bライン 495点 / Cライン 475点 / D 450点

河合塾

 濃厚ライン 514点 / ボーダーライン 481点 / 注意ライン 442点

 

共通テストリサーチ・度数分布表の見方のポイント

自分の志望大学・学科の傾斜配点を計算し、先ほどの度数分布表の「今年の行」で自分の位置を確認してください。その時、自分の位置が「B判定と同じ位置」「C判定の1個下」「D判定の2個上」といった位置を確認してください。

 

河合塾の度数分布表なら「濃厚の1個下」とか「ボーダーの1個下」とか「注意の1個上」といった感じです。

 

次に、同じ「B判定と同じ位置」「C判定の1個下」「D判定の2個上」の「昨年の行」を確認してください。

 

どうですか、それがその大学の学部学科で今年のあなたと同じ判定の位置にいる人の、昨年度の合格者、不合格者の分布です。

 

同じC判定D判定でも1段欄が違えば、だいぶ合格者・不合格者の割合が異なることにも気づくと思います。

 

また、大学・学部・学科によっては、同じC判定、D判定でも「けっこう合格者がいた」得点ゾーン=逆転も可能なゾーンもあれば、「まあ合格者が数名はいたけれども圧倒的に不合格者が多かった」得点ゾーン=逆転はほぼ不可能なゾーンもあることに気づくはずです。

 

これも河合塾の度数分布表だと数字が若干異なりますから、両方合わせて確認すると良いですね。

 

高校の先生が「C判定なんて受験チャレンジに決まってる。頑張れよ!」と言ったって、同じC判定でもD判定の1個上の位置などは、昨年度ほぼ合格者がいないゾーンだったりします。もちろん、本人がどうしてもそこに行きたくて、浪人覚悟で初志貫徹の受験をするのであれば良いのですが・・・

 

逆に、D判定でも1番上なら昨年度ある程度合格者が存在しているゾーンってこともあったりします。

 

これが、判定だけではなくABCDE判定だけではなく、「度数分布表」を確認してから出願を決定してもらいたい理由です。そのデータも自分の目で確認したうえで、受験するべきか、志望校を変更するかを決定して欲しいと思うのです。 

②共通テストリサーチで河合塾とベネッセの判定が違う

毎年質問されるのは、河合塾のリサーチとベネッセのリサーチが違うけれどもどちらを信じたらよいか?ということです。

 

これも何とも言えません。大学・学部・学科によっては河合塾の方がBで判定、ベネッセがC判定とか、逆に河合塾の判定がベネッセよりキツメに出たりすることもあります。だから、一概に河合塾とベネッセの判定どちら信用したら良いかと言うつもりはありません。

 

ただ、個人的には東進の判定は全体的に緩すぎて(甘すぎて)使用しません。

 

まあ、河合塾・ベネッセ・東進、どの判定も「予想」の判定なのですからしょうがないと言えばしょうがありません。

 

言えるのは、両方の判定をしっかりと確認して、判定を過信しすぎて気を緩めたり、落胆しすぎないでくださいねということぐらいです。

 

どちらにしても、判定だけでなく、上記の「度数分布表」を確認することが大切です。

 

もちろん、度数分布表で自分の位置を確認したうえで、二次試験教科の配点・二次偏差値、それに対する自分のその教科の二次偏差値、全てを加味して受験校を決定していかなければいけません。いくらA判定でも、今まで考えていなかった=準備していなかった教科での二次試験では、合格は厳しいものになります。

 

逆にC判定、D判定と判定は良くなくても、準備してきた得意の教科の二次試験なら十分勝負になることもあります。

 

最後に、今までの経験から声を大にして言いたいことがあります。それは前期がダメなら後期に合格するなんてありえないから、後期は出願しない・・・という選択はしないで欲しいということです。

 

特に最近は学部学科が細分化されて、後期の定員が数名ということもあります。合格は難しい・・・そう考えるのも普通かもしれません。でも逆に、定員3名の後期学科に、D判定、E判定くらいからあきらめず出願して、受験会場に行ったら受験者が4名でみごと合格といった例も知っています。

 

判定が悪い後期学科で、しかも面接のみの試験で、偶然自分の母親が患ったことのある病気のことに関係することが質問されて、その経験をもとに、喋れるだけ喋ったら逆転合格Vって例も知っています。

 

何が起きるか分からないのが受験です。

 

自分の位置を度数分布表でしっかりと把握したうえで、受験すると決めたら前期はもちろん、後期まであきらめないで出願・受験して、戦ってもらえればと思います。

 

桜咲く春はすぐそこに待っています。あと少し一緒に頑張りましょう。

 

共通テストリサーチ C判定D判定E判定で合格できるか? 度数分布表の見方~河合塾バンザイシステムとベネッセの判定が違う~ についてまとめてみました。 

 

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