弘前大学教育学部附属中学校 来年度【定期試験廃止】か~定期試験廃止中学校例と課題~
先般行われた弘前大学附属中学校の入学者説明会で、「来年度(2024年度/令和6年度)から定期試験がなくなる」と説明があったとの情報が複数寄せられています。
(まだ公式HPでの発表はないようです)
なお、弘前大学附属中学校では今年度から定期試験で社会が(実験的に?)除外されています。
定期試験廃止の代わりに単元テストのようなものはあるようなので、今後どのような影響があるのか注視していきたいと思っています。
定期試験廃止の中学校例
定期試験廃止の中学校の例としては東京都千代田区立麴町中学校が2014年から宿題や定期試験、固定した学級担任制などを廃止したのが有名です。
ただし、2023/8/3朝日デジタルによると『保護者向けの学校説明会で、「まだ決定ではない」としつつ、定期試験の実施、学級担任制の導入、指定の制服・体操着の着用などを進める方向で検討していることを明らかにした。』とのこと。
まだ定期試験廃止には色々と課題も残されているのかもしれませんし、中長期的な効果も検証していかなければいけません。
「定期試験なし」の千代田区・麴町中、改革転換を検討 保護者に波紋 [東京都]:朝日新聞デジタル
その他、定期試験の回数を減らしたり、定期試験を実施しない中学が全国に増えてきているようです。
【定期試験廃止の中学校例】新聞報道などから抜粋
金沢市立西南部中(2019年度から定期試験廃止)
大阪市立新巽中学校(2019年度から定期試験廃止)
静岡県沼津市立大平中(2020年度から定期試験廃止)
佐賀県武雄市立武雄中(2020年度から定期試験廃止)
高知市立南海中(2021年度から定期試験廃止)
鎌倉市立腰越中学校(2022年度から定期試験廃止)
岐阜県大垣市立東中学校(2022年度から定期試験廃止)
北海道標津町立標津中(2022年度から定期試験廃止)
厚木市立林中学校(2023年度から定期試験廃止)
定期試験廃止の課題
定期試験が廃止の学校でも「テスト」が全くなくなるわけではなく、頻繁に「単元ごとのテスト」が行われているようです。
それにより、今までは2~3か月かけて学んだことを「定期試験」という形でテストしていたものを単元の学習が終わるたびに「単元テスト」という形でテストを受けるのですから、むしろテストの頻度は高くなります。
生徒の側からすると、今までのように定期試験の前だけ一生懸命勉強すればどうにかなるわけではないので、むしろ年間を通じてコツコツと授業を大切にしながら学習をしていかなければいけないことにもなります。
一方で、高校入試では3年分の学習がすべて試験範囲となりますから、単元ごとのテストしか受けたことがなく、長い範囲のテストの経験が少ない生徒は対応できるのかなどの課題もありそうです。
学習塾を運営している立場からすると、
「もっと単元ごとの学習をしっかりとさせなければいけないのか」とか
「学校であまり経験しない広い範囲のテストを塾がしてあげないといけないのか」とか
「頻繁に学習済みの単元の復習をさせてあげないといけないのか」
など色々と考えることはありそうです。
いずれにしても、すでに定期試験を廃止した中学校でどんな課題が生じているのか、どんな効果がでているのか、注視していかなければとも思っています。
以上、「弘前大学教育学部附属中学校 来年度【定期試験廃止】か~定期試験廃止中学校例と課題~」でした。