大学受験の生徒に
『総合型の受験はしないの?』と聞くと
『しゃべるのが苦手だから・・・』
『特にボランティア活動とか校外の活動したことないから志望理由とか書くことやしゃべることないし・・・』
『〇〇さんは、面接のある総合型より一般受験だねって先生に言われた』
という生徒が結構いたりします。
昔と違って、今や大学受験で一般受験合格の割合は50%程度
残りは学校推薦型や総合型選抜型での合格です
最初から一般受験だけに絞ってしまうことはそれだけ合格の可能性を狭めてしまうことになります。
自分の行きたい大学・学部で評定平均や英検等の総合型選抜出願条件を満たしているのであれば、積極的にチャレンジすればいいと思います。
総合型選抜の面接では自分の熱意を伝えることが大切
面接でしゃべることに苦手意識を感じる人もいるでしょうが、重要なのは流暢な話し方よりも、『とつとつとした』しゃべり方でも構わないので、自分の熱意や想いを伝えることです。
大学入試面接では、その大学に入学し、自分の希望することを学んだり研究している時のことを考えると「自分はどれだけわくわくした思いがするのか』を面接官に伝えることが合格へとつながっていきます。
総合型選抜の志望理由は経験よりも熱意と将来のビジョン
経験やスキルは重要ですが、それよりも大切なのは自分がその大学に入りたい熱意や将来のビジョンを伝えることです。
面接官はあなたの過去の経験よりも、この大学・学部で、あるいは将来どんなことをしたいのかというその生徒の将来の可能性に興味を持っています。そのため、自分の夢や目標について一度真剣に考え、それを率直に伝えることが重要です。
医学部医学科の面接官に聞いた話
以前に医学部の面接官をした友人に話を聞いたことがあります。
志望理由について受験生に問うと
『小さいころに自分が(あるいは親が)病気やけがをしたときに、本当に親身になって医者が治療にあたってくれました。私はそのような医師になりたく医学部を志望しました』といった定型の志望理由をしゃべる学生が大半だったそうです。
しかも何度も練習してますから、滔々(とうとう)としゃべるのだそうです。
一通りの志望理由を聞き終わった後でその友人(面接官)は
『で?本音のところでどうして医学科受験したの?』と聞くのだそうです。
さすがに偏差値が高いからとか将来が安定しそうだからとか答えるわけにもいかず、大半はしどろもどろした答えになり、そこでその受験生の『本気度』がだいたい分かるんだって言っていました。
医学部受験生だけでなく、どの大学、学部志望にしても、そういった『本音での志望理由』というのを真剣に考え、志望理由書や面接の準備をすることが大切なのかもしれません。
総合型の面接でしゃべるような経験がない
確かに、例えばボランティア活動や部活動、あるいは(短期でも)海外留学、高大連携の講座受講など、経験がある人の方が具体的に面接でしゃべれることがあるのかもしれません。
では、そういった経験がない人は総合型受験でもしゃべれることがなく合格の可能性がないのかというとそうでもありません。
そういった具体的経験はなくとも、18年間心の中で思ったり考えたりした『心の中での経験』もまた立派な経験です。
何気ない日常の出来事の中にも『面接でしゃべること』のヒントは埋もれていたりするのです。
『そんなの特に考えたりしないで生きてきたし・・・』というあなた。
『今までの自分を今から見つめ直し、自分はこれから何をしたいのか』を考えるという思考過程もまた『内的経験』になりうるのでないでしょうか。
しゃべるのが苦手でも(面接のある)総合型受験を諦めなくてよい
しゃべるのが苦手だからといって、総合型選抜を選ぶことを諦める必要はありません。大切なのは、自分の気持ちを素直に伝えることです。自信を持って自分の熱意を伝えることで、面接のハードルを乗り越えることができます。
また、集団討論がある場合でも、一杯しゃべった人が必ずしも合格していくわけではありません。他の人の意見を尊重し、じっくりと聞き、それに対して自分はどう思うか、どういう解決策が考えられるのかを話せればいいと思います。
結論:自分の行きたい大学・学部であれば総合型受験にも積極的にチャレンジ
しゃべるのが苦手、しゃべるような経験がない(と思っている)人でも、総合型の大学をあきらめる必要はありません。大切なのは、自分の気持ちを素直に伝えることです。行きたい大学があれば、自分の熱意を持ってチャレンジしてもらえればなと思います。