NHKスペシャル 全貌 二・二六事件~感想と最後の5分を書き起こしてみた~
2019/8/15のNHKスペシャル「全貌二・二六事件~最高機密文書で迫る~」を見ての感想です。
まず、歴史の教科書では知らなかったことが、盛沢山でした。
今回の特集が成立したのも「最高機密文書」をもとにしているからこそ。本当によくそんな記録が残っていたなあという感想です。
海軍陸戦隊、反乱軍、鎮圧部隊、存命の人のインタビューを放映したのもすごいと思いましたし、おそらく今が最後のタイミングでしょう。
特に、最後の5分は製作した人たちの強い思いを感じたので、書き起こして記憶にも記録にも残しておきたいと思います。
NHK内部に様々な圧力もあると聞いていますが、こういった力作をこれからも製作・放映してもらえることを強く願っています。
以下、NHKスペシャル全貌 二・二六事件最後の5分の書き起こしです。
2月19日
事件発生の7日前
東京憲兵隊長が海軍大臣直属の次官に機密情報をもたらしていました。
陸軍皇道派将校らは、重臣の暗殺を決行。
この機に乗じて国家改造を断行せんと計画。
襲撃される重臣の名前が明記されていました。
襲撃の目標となりおるものは、岡田首相、斎藤内府、高橋蔵相、鈴木侍従長らなり。
そして続くページには、首謀者の名前が書かれていました。
香田清貞、栗原安秀、安藤輝三
事件の1週間も前に、犯人の実名までも海軍は把握していたのです。
海軍は二・二六事件の計画を事前に知っていた。
しかしその事実は闇に葬られていました。
その後、起きてしまった事件を記録した極秘文書。
そこに残されていたのは不都合な事実を隠し、自らを守ろうとした組織の姿でした。
極秘文書を発見した研究者 田中宏巳
『本当のことを明らかにするということはものすごく難しいこと。いかに事実を知ることが難しいかということですね。たまたま私どもは何十年ぶりかに現れた資料によって今まで知られなかったことが分かるわけですけれども。こんなことは非常に類まれなことで、わからないまま生きていくんだ。』
事実とは何か。
私たちは事実を知らないまま再び誤った道へと歩んではいないか。
83年の時を超えてよみがえった最高機密文書。
向き合うべき事実から目を背け、戦争への道を歩んでいった日本の姿を今私たちに伝えています。
折しも、戦後憲法裁判の記録を多数廃棄との報道がなされる今、私たちの不断の努力が試されるときだという感想です。以上、NHKスペシャル全貌 二・二六事件~最後の5分を書き起こしてみた~でした。