知の泉

地方都市で子供に携わる仕事を、20年くらいやってます。受験・子育て・教育に関することやその他自分の知的好奇心をくすぐった話題を呟いています。時々自分で食べて美味しかったもの、これ欲しいなあというものも呟いたりしてます。

SHELLY(シェリー)さんが国会で語ったこと(書き起こし)~「強制性交罪」の罪名を「不同意性交罪」に変更する刑法改正~

SHELLY(シェリー)さんが国会で語ったこと(書き起こし)~「強制性交罪」の罪名を「不同意性交罪」に変更する刑法改正~

SHELLY(シェリー)さん 国会で参考人として 2023/5/16

今の国会で「強制性交罪」の罪名を「不同意性交罪」に変更することなどを盛り込んだ性犯罪に関する刑法改正案が審議されています

改正案では、これまでの「強制性交罪」から「不同意性交罪」に、「強制わいせつ罪」は「不同意わいせつ罪」に罪名が変更されます。

その上で、これまでの暴行・脅迫を用いる場合に加え、アルコールや薬物を摂取させるなどの8つの行為により「同意しない意思を示すことが困難な状態にさせた場合」に処罰の対象になるとしています。

さらに、改正案では性行為の同意を判断できるとみなす「性交同意年齢」は13歳から16歳に引き上げられ、盗撮行為などを取り締まる「撮影罪」や、わいせつ目的で子どもを手なずける「面会要求罪」も設けられました。

また、強制性交等罪(強姦罪)の公訴時効を10年から15年に延長することも含まれています。

この審議で、2023/5/16 衆議院法務委員会でタレントのSHELLYさんが参考人として国会で意見を述べました。

 

SHELLさんといえば、「SHELLYのお風呂場」というYouTubeチャンネルで真面目に性教育に関する情報を発信しています。それがご縁で国会にも参考人として呼ばれたのでしょう。

SHELLYのお風呂場 - YouTube

 

以下、SHELLY(シェリー)さんが国会で語ったことを記憶と記録に残すために書き起こしておきたいと思います。

皆さんこんにちは。タレントをしておりますシェリーと申します。よろしくお願いします。今日は、こんな貴重なお時間をいただきましてありがとうございます。私は、タレントのお仕事をしながら、ライフワークとして性教育をやらせていただいております。雑誌やラジオ、テレビで発信するのはもちろんなんですけれども、性教育というのは、今まさに性経験を積み始めている、またはこれから積み始めようとしている世代に、いち早く正しい情報を届けるのが大事と思いまして、YouTubeという若い人たちが一番使っているだろうところに向けて、私はYouTubeのチャンネルを作って、性教育チャンネルを作って発信しているんですけれども、私自身も、ちょっとごめんなさいね。失礼しました。(咳払い) 私自身も、日本の義務教育、公立の小・中、そして高校を出てまして、日本の学校で受けた性教育、とてもじゃないですけれども、今役立っているなぁとは思うような内容ではありませんでした。ということで、私はそれ以降大人になっていろいろな話を聞いて、セックスによるネガティブな経験をする人を一人でも減らしたいという思いで、いろいろ性教育を伝えています。YouTubeをやっていますと、本当に若い世代からの声が直接届いたり、メッセージ、コメントという形で届くんですけれども、実は2年ほど前に、まさに今日のお話の議題になっている、性交同意年齢についての動画を配信しました。その動画の反響も本当にとても大きかったんですが、今日はせっかくなので、その動画にいただいたコメントをいくつか紹介させていただきたいと思います。18歳の時に被害に遭いました。性的同意教育を受けていなかったので、被害だとすぐには分かりませんでした。つらすぎて、被害だと認めたくなかったのもあります。PTSDを発症し始めて、ようやくあれは間違ったことだったのだと確信し始めましたが、それをレイブだと呼ぶのに、被害から2年かかりました。小さいころから性的同意を習っていれば、性被害に遭ったのだとすぐに気づいただろうし、加害者との距離をすぐに取れただろうと思います。18歳だった私が理解できなかったことを、13歳の子どもが理解できるわけがない。早く法改正してほしいです。同意年齢が13歳、中1なのに、文部科学省は中学生では教える必要がないってすごく矛盾していませんか。性について何も知らない子どもが自分で判断できるわけがない。お恥ずかしいですが自分(17歳)もそうでした。同意年齢なんて初めて聞きましたし、そのような矛盾に全く気づきませんでした。日本の性教育は遅れているということをはっきり実感できました。中3女子です。私はシェリーさんの動画を見るまでは、何か大人の方にされても児童ポルノ法みたいなもので、男性側が一発アウトだと思っていました。でも、性同意年齢という法律があると聞いて、その瞬間めちゃくちゃ鳥肌が立ちました。幸いに今まで自分は男性に何かされるということはなかったからこそ、何かに守られていると思った盾がなくなってしまって、めちゃくちゃゾクゾクっとしました。今、自分は18歳ですが、性的同意年齢というのがあるのをこの動画で初めて知りました。実際、自分の友人の何人かはそのような被害を受けたことがあります。友人の一人が電車で痴漢に遭遇してしまったときがありました。された直後に私には彼女は電話をしてきて、泣きながらすごい動揺しながら「助けて」と言っていました。あのときの彼女の恐怖に怯えている声は忘れられません。でも彼女は警察に被害届を出すこともなく、次の日から何事もなかったかのように過ごしています。彼女は今は何事もなかったように振る舞っていますが、やはりどこかで痴漢の被害に遭った恐怖を抑えながら苦しんでいるのではないかと思います。私はそのような被害に遭ったことがないのでわかりませんが、18歳の私でもその友人でもわからないし、恐怖がたくさんです。なのに13歳の年齢なんてもっと危険だろうし、恐怖感が強くなってしまうと思います。被害の届出先である警察、また法律を作る人たちなど、男性ばかりなのも問題だと思います。そんなことないですよね。(周りを見渡して)あっ、そうか・・・(苦笑)10代女性が力で抵抗なんて物理的に不可能ですし、著しく抵抗できるかどうかは、頭が冷静な状態の成人男性だけです。政府には理にかなった対応が可能な法改正に取り組んでいくべきです。政治家たちが本気で、そういう恋愛もあるって主張しているの、本当に気持ち悪い。もうやめましょうかね。気持ち悪いとかね、私の言葉じゃないですからね、コメントです。とにかく本当にいろんな意見をいただきました。やはり法改正を望む声、そしてこの動画だけじゃなくて、本当にいろんな動画に必ずついてくるコメントは、性的同意をそもそも知らなかったというコメントが本当に多いんですよね。なので、ここで改めて、もう皆さんはご存知と思いますけれども、改めて性的同意のお話をさせていただきたいと思います。性的同意というのは、全ての行為に毎回、今ここで私はあなたとこの行為がしたいという確認をとることです。同意をとるということ自体、日本だとちょっとまだなじみがないかもしれません。もちろん世代別で見たら、大人の世代になればなるほど、ちょっとそこの理解が少ないのかなあという感覚もあります。夫婦だから、付き合って長いし、もう我々はツーカーだから、言葉でいちいち確認するなんて、そんなのイキじゃないよ。ムード壊れるじゃん、って思われてる方が加害者になる可能性があるので、気をつけていただきたいと思います。性的同意といえば、ノーミンズノー・・・皆さん、聞いたことあると思います。嫌と言ったら、そこまで。お酒を飲んでようが、彼のお家に遊びに行こうが、二人でホテルに入ろうが、性行為がある程度始まって二人とも裸で行為が進んでいてたとしても、やっぱりやめよう、もうここまでにしようって、どっちかが言えばストップ、そこまで。それ以上したら性暴行です。この理解を本当にとにかく早く進めたいと思っています。ただ実はこれも、もう一昔前の話です。今は、Yes means yes、Yesのみが同意という理解が進んでいます。なぜなら、Noと言えない人がいます。Noと言えない関係性があります。Noと言えない状況もあります。なので、したい、しようよ、という積極的な同意のみが同意というふうに捉えられるというのが、今世界的な理解になっています。嫌よ、嫌よも、という言葉も、この現行の法律ができた明治時代の話ですので、そんなことを言って、いろんな被害者を傷つけたり増やしたりするようなことは、もうやめましょう。性犯罪の話になると、なぜか決まって、お酒も飲んでたんでしょう? 彼の家に行ってたんでしょう? んな時間に出歩いてたの? どんな服着てたの?それってレイプなのかな? それ性暴行なの?と、被害者を疑うような声が上がることがあります。なぜなんでしょうか。実は、ロサンゼルス市警が2014年に行った調査では、虚偽と証明された事件は、届出されたレイプ事件の約5%未満という数字が報告されています。これは実は国際的な調査で出た数字と一貫性が取れているということなので、世界的に性犯罪の虚偽申請、虚偽の届出というのは5%未満くらいだということなんですよね。つまり、性被害について人は嘘をつかないんです。大事なことなんでもう一度言いますね。性被害についていくらでも嘘はつきません。ハイ。性被害、被害者を生まないための教育、このものは実は存在しないんですね。被害者を生まない教育じゃなくて、加害者を生まないための教育、こういう教育、包括的な性教育というのが本当に必要なんです。そしてもう一つ必要なのは、被害者をしっかり守る法律です。今のままではまだまだ被害者をしっかり守る姿勢は足りていないと私は思います。成功同意年齢引き上げますカッコ条件付きで。条件が必要なのでしょうか。皆さん思い出してください。10代のころ、少しお時間をあげますね。ちょっと昔でしたよね。中学のときの一こ上ってめちゃくちゃ先輩でしたよね。もっと言うと3月、4月の誕生日が1ヶ月ずれて学年がずれただけで、敬語を使う関係性、学校の中の縦社会、この年齢差が一つ違うだけで、こんなに上下関係が生じるのに、5歳離れないと対等な関係性じゃないということは証明できないというのは、ちょっと日本には本当に合わない数字だなと私は思いました。中学生ぐらいは無条件で守りましょう。そのぐらいは今日みんなで大人たちで約束してあげましょう。もう一つ今回私が心配な点があります。それは控訴時効についてです。現状から5年引き延ばしというのはまだまだ短いと思います。控訴の停止を検討すべきだと思います。今の引き延ばしのエビデンスとされている資料を見させていただきました。無理やりに性交などをされた被害を誰かに打ち明けたり相談した人(52人)に聞きました。少なっ!、1億何千万人の国ですよね。100年越しの法改正、52人の意見で決めたんですか。ちょっとこれは正直私はやる気を感じなかったですねえ。本気でこれに取り込もうという改正の数字ではないなというふうに感じました。本気で性暴力と向き合いをなくそうとしている数字だったら、もっともっとちゃんとしっかりしたアンケートを取れると思います。性的同意などの教育を受けていない子どもは、そもそもその出来事が先ほどもお話ありましたけど、性暴力だということを認識するまでも時間もかかりますし、その相手が例えば親、兄弟、親戚、学校の先生、コーチ、身近な信頼する相手だったら、それを受け入れるのにも、そこに向き合うのも時間がかかりますし、それをさらに自分の家族に打ち明けるのも、もう本当に容易なことじゃないということも想像つくと思います。それを全て乗り越えて、やっとの思いで頑張って訴えるぞって出てきた人たちに、タイムアップ、時間切れです、残念、って門前払いするのだけはやめましょう。今の性犯罪に対する法律はあまりにも甘すぎます。そもそも性犯罪と認められるのにハードルが高すぎます。今回の見直しはもちろん時間もちょっとかかりましたけれども、本当に素晴らしいことだと思います。変えるために一生懸命努力してきてくださった皆さんに本当に感謝しております。せっかく100年越しでやるんですから、惜しいっ!てならないように、しっかり被害者を守る法律を、そして今後は、性加害を生まないための包括的な性教育をしっかりと進めて、性加害を撲滅していって欲しいなと思います。皆さん貴重なお時間ありがとうございました。

 

書き起こしのため、誤字脱字聞違いはご容赦ください。

※なお、書き起こしにあたっては PolityLink|国会を、もっとおもしろく。

も参考にさせていただきました。

 

全編をお聞きになりたい方は下記からどうぞ

www.shugiintv.go.jp

以上SHELLY(シェリー)さんが国会で語ったこと(書き起こし)~「強制性交罪」の罪名を「不同意性交罪」に変更する刑法改正~でした