大学入学共通テスト記述式、採点結果通知&答案の開示⁉ 地雷を踏んだ大学入試センター
2019/9/25発表の「令和2年度大学入学者選抜大学入試センター試験説明協議会における大学入学共通テストに関するFAQ」
色々とツッコミ所が満載だと思いながら読んでいました。
中でも『大学入試センターは地雷を踏んだ!』と感じたのは、以下の部分です。
「大学入学共通テストの記述式問題の採点結果の通知のみではなく、答案の返却についても検討してもらいたい」という質問に対して
「大学入学共通テストの記述式問題については、大学入試センター試験と同様、受験者本人からの求めに応じて、採点結果の通知及び答案の開示を行う予定です」と回答しているのです。
前々から、このブログでも『記述式問題』の採点を一度に50万人、本当に公平・公正に、しかも短期間にはできないのでは?という疑問を投げかけていました。
国語の記述式の採点に至っては、上記の表で、縦に15分類×横に5分類の75の表に当てはめての採点。しかもその採点には大学生も入る可能性・・(もうこの時点で完全に無理ゲー)
「こういうように答案書いてきたんですけれど、自分の答案はこの表のどこになりますか?」ってセンター試験の翌日に聞かれて、正確に返答する自信、私はありません、というかできません。
自己採点の難しさ、それによって生徒の実際の出願をどうするかが難しくなることはさておき、(それも大問題ですが・・・)これを後日「採点結果の通知及び答案の開示を行う」のだそうです。
センター試験と同様と考えれば、採点結果の通知と答案の開示は4月以降。
この情報化社会です。
「自分の答案はこれで、abのa*」でしたとか
「自分の答案はこれで、bbのb*、どうしても納得いかない」とかが間違いなくネット上に溢れます。志望校にギリギリ進学できなかった人からは、なおさら不満が出るでしょう。
50万人もいれば、まちがいなく「ほぼ同じ答案で採点にぶれがある場合」もでてきます。人間がやる以上「あきらかな採点ミスの可能性」も否定できません。
また、「予備校講師・高校教師・大学で国語や数学の教授」といった専門家に該当するような人から、「この答案でこの得点はおかしい」とか「この答案とこの答案に得点の差があるのはおかしい」といった表明がなされる可能性もあります。
4月以降、それぞれの進学先が決定した後で、こういった大混乱が起きた時、どなたがどうやって責任を取ることができるのでしょうか?
おそらく、大学入試センターは
「記述式だって得点・答案の開示すべき」という高校現場の先生などの声に押されて
「採点結果の通知と答案の開示を行う予定」と返答してしまったのでしょう。
しかしそれは同時に、「採点が公平・公正ではなかった・あるいは採点間違いがあった」ことを世の中に知らしめ、大混乱を引き起こす地雷を踏んでしまったとも言えます。
かと言って、今後「やはり記述式の得点・答案は開示しないことにしました」と後戻りすることも大きな批判を浴びることになるでしょう。
進むも地獄、戻るも地獄。どうします?大学入試センター。どうします?文部科学省。
英語民間試験導入と一緒に、大学入学共通テストの記述式導入も、一旦ストップするのが一番賢い選択だと思うのですがいかがでしょう?
以上、大学入学共通テスト記述式、採点結果通知&答案の開示⁉ 地雷を踏んだ大学入試センターという投稿でした。