知の泉

地方都市で子供に携わる仕事を、20年くらいやってます。受験・子育て・教育に関することやその他自分の知的好奇心をくすぐった話題を呟いています。時々自分で食べて美味しかったもの、これ欲しいなあというものも呟いたりしてます。

【大学無償化】2020年度新入学生以降は「端境期」と萩生田大臣発言~我慢しろよってこと⁉

【大学無償化】2020年度新入学生以降は「端境期」と萩生田大臣発言~我慢しろよってこと⁉

以下朝日新聞デジタルからの引用です。

新制度の導入に伴い、減免措置を受けていた現役の国立大生のうち約1万9千人が支援を打ち切られたり減らされたりする懸念があった。

文科省は来年度予算案に53億円を盛り込み、現在支援を受けている学生が卒業するまでは、従来通りの支援が受けられるようにする。ただ、新入生は対象になっていない。

萩生田光一文科相は23日、「先輩はこういう家庭環境でこうだったのに、俺はという不満はあるかもしれない」とした上で、そうした学生が出ることに対し、「制度の端境期なので、ぜひご理解を」などと述べた。

高等教育支援の対象外、文科相「端境期なのでご理解を」:朝日新聞デジタル

 

このブログでも以前から「現在授業料減免になっている世帯年収400万、500万位の学生」が、2020年度以降減免の対象にならないのは大変なことだと指摘してきました。

 

現在授業料の減免措置を受けていて新制度で対象から外れたり、支援額が減ったりする学生約1万9千人に対し、引き続き支援を受けられるようにするという文科省の方針は一歩前進ではあります。

 

しかし、それはあくまでも「時限的な措置」。

 

同じような年収400万、500万といった世帯の新入学生、そして二浪以上の学生、社会人を経て大学に合格していく学生は「大学等就学支援法」では支援対象外です。

 

運よく2019年に大学生になった世帯年収400万、500万程度の人は授業料減免対象。

運悪く2020年入試を受ける世代は同じような世帯年収でも制度の対象外。

同じ年齢でも、2019年現役合格なら授業料減免対象。

浪人して2020年入学なら制度の対象外。

そんな不合理があって良いのでしょうか?

 

それに対して、萩生田文科大臣は「端境期だからご理解を」と切って捨てたことになります。

 

萩生田大臣のいわゆる「身の丈」発言もそうでしたが、

「あなたは端境期の人だからしょうがないじゃん。我慢してね」という風にとれる今回の発言は理解できませんし、腹立たしい限りです。

 

それでなくても現在の高校3年生、高校2年生は、英語の民間試験の問題、記述式の導入問題で振り回された世代です。

 

そういった生徒たちに「端境期だから」(我慢してね)との発言は、そういった世代の生徒をお預かりしている立場からも容認できません。強く抗議をしたいと思います。 


 

以下、時系列を追って、大学無償化について簡単にまとめます。

★「大学等就学支援法」(俗に言う大学無償化法案)が2019/5成立し、世帯年収380万円未満の人は、年収に応じて、大学等の入学金・授業料が支援されるだけではなく、返済不要の給付型奨学金がもらえることになった。(支援額は下記参照ブログに記載)

 

★実は現状でも、各大学ごとの制度で、授業料が全額免除・半額免除の学生はいる。東北大学の例では年収400万、500万以上でも授業料が減免されている例がある。
 

★現状授業料が全額免除・半額免除の学生で、今回の「大学等就学支援法」の枠からはみ出て、支援の対象から外れる人が出るのでは?という文教委員会での質問に対しての柴山文科大臣の答弁

 

「各大学がそれぞれの基準で授業料減免を行っているので文部科学省が一律に何かは言えない」

新制度で対象にならない、既存の支援を受けている学生も生じうる

「夏までに精査していきたい」

 

★「今年授業料の減免措置の対象者」でも「大学等就学支援法」の対象から外れる世帯年収の学生(例えば年収400万とか500万の場合)は、来年は授業料の減免措置が受けられるかどうかが不明!⇒ここまでが2019夏までの状況

 

★2019/9/20共同通信の報道によると、「低所得世帯を対象とした高等教育の修学支援制度で、国立大に通う学部生のうち約1万9千人は授業料の負担が増加する見通しであることが20日、文部科学省の調査で分かった。」

 

 えっ!今年まで大学授業料が減免にjなっていた人のうち1万9千人もの人が来年は負担増になる⁉大変じゃん‼

 

★文科省は、個別の大学でどれだけの人数が支援額が減少するか公表できないとしていましたが、今回宮本徹議員の調査によると、東大生で現行の授業料免除制度の支援対象人数は586名、新制度の導入により、支援額が減少する人数は308名(うち、支援を受けられなくなる人数は180名)。現1〜3年生でみても248名が減免打切りもしくは縮小ということが分かった。
 
★日本共産党山添参議院事務所の問い合わせに対して、18大学が回答。

支援が減る学生の割合は

横浜国立大学60%、千葉大学59%、信州大学55%、名古屋大学54%など、16大学で軒並み約50~60%の学生。

支援が減る人数では、九州大学715人、信州大学550人、北海道大学498人、千葉大学467人など。 

 

★ 2019/12/9東大からの発表
国立大学における授業料減免は、運営費交付金によって学部及び大学院を通じてこれまで実施されてきましたが、新制度の導入に伴い、授業料減免に充てている財源が影響を受ける可能性が指摘されています。そして、現行の減免措置が維持できなくなることが危惧されています。現在、国立大学協会を通じて文部科学大臣を始め関係各方面に対し、新制度においても現行と同程度の支援を継続できるよう予算確保を要望していますが、予算が確保されるかは現時点では未定です。「高等教育の修学支援新制度」の実施後における本学の方針について | 東京大学

 

★ 文部科学省は、来年度から始める国立大などの学費負担を減らす新制度に絡み、授業料の減免措置を受けていて新制度で対象から外れたり、支援額が減ったりする学生約1万9千人に対し、引き続き支援を受けられるようにする方針を固めた。この措置のため、来年度予算案に約53億円を盛り込む。(朝日新聞デジタル)2019/12/18
 
★新制度の導入に伴い、減免措置を受けていた現役の国立大生のうち約1万9千人が支援を打ち切られたり減らされたりする懸念があった。文科省は来年度予算案に53億円を盛り込み、現在支援を受けている学生が卒業するまでは、従来通りの支援が受けられるようにする。ただ、新入生は対象になっていない。
萩生田光一文科相は23日、「先輩はこういう家庭環境でこうだったのに、俺はという不満はあるかもしれない」とした上で、そうした学生が出ることに対し、「制度の端境期なので、ぜひご理解を」などと述べた。2019/12/23
 
↑イマココ New(2019/12/23)
 
※2019/12/27、萩生田文科大臣の会見についての朝日新聞記事『端境期発言で釈明』も一応張っておきます。
 
さらに今までの詳しい経緯・内容は下記も参考にして下さい↓↓↓