知の泉

地方都市で子供に携わる仕事を、20年くらいやってます。受験・子育て・教育に関することやその他自分の知的好奇心をくすぐった話題を呟いています。時々自分で食べて美味しかったもの、これ欲しいなあというものも呟いたりしてます。

【共通テストに情報追加で5教科8科目へ】問題点と課題について~令和7年度(2025年度入試)大学入学共通テスト~

【共通テストに情報追加で5教科8科目へ】問題点と課題について~令和7年度(2025年度入試)大学入学共通テスト~

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 2021/5/23の朝日新聞デジタルの記事によると

2025年の大学入学共通テストから、国立大学の受験生には原則として「6教科8科目」を課す――。国立大学協会の入試委員会(委員長=岡正朗・山口大学長)が、そんな案の検討を進めていることがわかった。従来の「5教科7科目」に、プログラミングなどを学ぶ教科「情報」を上乗せする案だ。

【共通テストに情報追加で5教科8科目へ】問題点と課題について

当サイトでは、「英語民間試験の共通テスト導入」「共通テストへの記述式導入」について、一貫して反対の立場でその問題点や課題について考えてきたつもりです。

 

幸い、「英語民間試験の共通テスト導入」「共通テストへの記述式導入」については一旦導入見送り(中止ではないことは気になりますが)になっています。

 

では、【共通テストに情報追加で5教科8科目】になることの問題点や課題について考えてみます。

 

【共通テストに情報追加で5教科8科目へ】問題点と課題~情報専門教員の不足~

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「情報」を教える専門教員が不足している。朝日新聞の調査では、21年度までの5年間で情報科教員の採用がゼロの自治体は8県に上った。国の調査では、公立高校で情報科を教える教員の2割以上が専門の免許を持っておらず、「これで授業ができるのか」との声もあがる。

20年度に公立高校で情報を教えている教員約5100人のうち、「情報」の免許を持つ正規の教員が5割以下の都道府県は、栃木、長野、石川、和歌山、宮崎など約4割に上った。

 また、17~21年度の情報科の教員採用数は全国で計292人にとどまった。神奈川30人、大阪23人、東京と兵庫が各21人、埼玉20人、千葉19人、福岡17人、愛知16人など、都市部では多いが、地方の大半は1ケタ。5年間の採用がゼロも8県あり、20年度に初採用は6道県、21年度に初採用は4県だった。秋田、滋賀、鹿児島は、情報が必履修となった03年度以降1人も採用していない。

 

2021/4/16の朝日新聞デジタル記事にあるように、公立高校で情報化を教える専門の教員の不足があげられます。情報教員の採用も進んでいない現状では2025年度の受験生の中には「免許外教科担任」に教わることのできた受験生と「専門の情報教員」に教わった受験生との間の格差が生じる可能性があります。

 

しかもそれは、都市部と地方の高校の格差という、英語民間試験導入時にも問題点・課題として指摘されたものでもあります。

 

果たして、情報の教員不足、格差といった問題点2025年と言われる情報の共通テスト追加までに解消できるのでしょうか。

【共通テストに情報追加で5教科8科目へ】問題点と課題~共通テストの日程に組み込めるのか?~

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現状の共通テスト時間割

上記は現状の共通テストの時間割です。

今でも2日間の共通テストを終えた受験生は過密なスケジュールでヘトヘトになっています。

果たしてこの共通テストに情報を組み込む余地があるのでしょうか?

それとも共通テストを3日制にするのでしょうか?

そういった実施上の問題点もありそうです。

 

2021/5/25追記

今年3/24の大学入試センターの発表はいかのようになっていました。

理科の試験時間が合計2時間ということになりそうなので、上記の「情報を組み込む時間はないのでは?」という懸念は的を外したものだったので、追記しておきます。

 

*出題科目の選択方法
出題科目の選択方法については以下のとおりとし,理科で一つの試験時間帯とする
A:『物理基礎,化学基礎,生物基礎,地学基礎』において2科目の内容の問題を選択
B:『物理』,『化学』,『生物』及び『地学』の4科目から1科目を選択
C:『物理基礎,化学基礎,生物基礎,地学基礎』において2科目の内容の問題を選択
並びに『物理』,『化学』,『生物』及び『地学』の4科目から1科目を選択
D:『物理』,『化学』,『生物』及び『地学』の4科目から2科目を選択

大学入試センター資料 

【共通テストに情報追加で5教科8科目へ】問題点と課題~浪人生に経過措置はあるのか~

2025年度入試から原則「情報」を受験となると、その前までの学年の卒業生(浪人生)に経過措置を考えなくてはいけません。

 

数学などで、今までに浪人生の経過措置があった時には、「旧数学」といった別科目を設置することもありましたが、「情報を追加」となると900点満点の生徒と1000点満点の生徒が生じることにならないでしょうか?

 

その辺をどう解消するのかという課題・問題点が生じると思います。

【共通テストに情報追加で5教科8科目へ】問題点と課題~大学入試に国策を組み込むことの是非~

2021/2/24の朝日新聞記事を読んで、(私の中で)最も気にかかったのは下記の部分です。

「国を挙げてデジタル化と言っているときに入試に入れないのは違うという意見が多く、引き続き議論することになった」(関係者)

という部分です。

 

そもそも大学入試とは大学が求める学生を選抜するためのものなのではないでしょうか。

入試を変えれば高校現場も変わる、入試を変えれば生徒も変わるといった、英語民間試験導入時にも似たような議論があった気がします。

 

それぞれの大学がアドミッションポリシーに基づいて、入試に情報を組み込むことには反対ではありません。

 

しかし、「情報」を入試科目に入れることを絶対的なスタート地点に、「原則情報を追加して5教科8科目に」というのには反対したいと思います。

 

「情報を共通テストに原則追加」という案に対して、高校現場、大学現場からの意見交換・発信がまだまだ必要であり、少なくても2025年度に「原則情報を追加」という案については現時点で拙速だと個人的には考えます。

 

このままだと、また「英語民間試験導入」「記述式導入」の時のように受験生を振り回すことになりうると思いますし、それは絶対に避けて欲しいと思います。

 

以上【共通テストに情報追加で5教科8科目へ】問題点と課題について自分の考えを整理するために書いてみました。

 


以下は今までの経緯です。

令和7年度(2025年度)大学入試はどうなるか?今後の公表予定について

令和7年度(2025年度)の大学入試からは新課程で学ぶ高校生が受験することになります。どういった大学入試になるのか気になるところです。

 

共通テストに情報や歴史総合・地理総合・公共が入るのはいつから?

共通テストに情報や歴史総合・地理総合・公共が入るのはいつからかというと、令和7年度(2025年度)大学入試からの予定です。具体的には2021年4月に中学3年生になる生徒が受けることになる大学入試です。

 

2021/3/24の衆議院文科委員会で城井崇さんの質問に対して、萩生田大臣が令和7年度(2025年度)大学入試について答えている部分を書き起こして記録に残しておきます。

 

萩生田大臣

試験問題の作成や試験の実施運営を担う立場から専門的に検討し、大学入試センターとしての案を本日午後公表する予定と聞いております。

文部科学省としては今回公表される大学入試センターの案を参考にしつつ、私のもとに置かれている大学入試のあり方に関する検討会議での取りまとめなども踏まえ、高校大学関係者の協議を経て、最終的には本年夏ごろを目途に文科省として出題科目・教科、正式に決定することとしております。

その中で、その上で各大学には令和7年度大学入学を志願する者の準備に資するように、速やかに令和6年度に実施する入学者選抜の教科・科目のついて検討着手し、ご指摘の2年前を待つことなくですね、決定次第公表するように促していきたい。

 

こんなスケジュール感で、新課程の大学入試について発表がされていくようです。

 

以下追記です。

大学入試センターから「令和7年度大学入学共通テストからの出題教科・科目について」が発表

大学入試センターから「令和7年度大学入学共通テストからの出題教科・科目について」が2021/3/24午後発表されました。

 

令和7年度大学入学共通テストからの出題教科・科目について

 

以下抜粋です

 

地理歴史
出題科目は『地理総合,地理探究』,『歴史総合,日本史探究』及び『歴史総合,世界史探究』の3科目

公 民
出題科目は『公共,倫理』及び『公共,政治・経済』の2科目とする

 公民と組み合わせた科目として,『地理総合,歴史総合,公共』を出題する。

※『地理総合,歴史総合,公共』は「地理総合」,「歴史総合」及び「公共」の内容を出題範囲とする。

 

・『地理総合,地理探究』,『歴史総合,日本史探究』,『歴史総合,世界史探究』,『公共,倫理』,『公共,政治・経済』及び『地理総合,歴史総合,公共』の6科目から最大2科目を選択させる。

 

数 学
出題科目は『数学Ⅰ,数学A』,『数学Ⅰ』及び『数学Ⅱ,数学B,数学C』の3科目とする。

『数学Ⅰ,数学A』は「数学Ⅰ」及び「数学A」の内容,『数学Ⅰ』は「数学Ⅰ」の内
容をそれぞれ出題範囲とする。

『数学Ⅱ,数学B,数学C』は「数学Ⅱ」,「数学B」及び「数学C」の内容を出題範囲とする。

(注2)『数学Ⅰ,数学A』の出題範囲のうち,「数学A」については,2項目の内容(図形の性質,場合の数と確率)に対応した出題とし,全てを解答させる。

(注3)『数学Ⅱ,数学B,数学C』の出題範囲のうち,「数学B」及び「数学C」については,「数学B」の2項目の内容(数列,統計的な推測)及び「数学C」の2項目
の内容(ベクトル,平面上の曲線と複素数平面)に対応した出題とし,このうち3
項目の内容の問題を選択解答させる。

*出題科目の選択方法
出題科目を次の2つのグループに分け,それぞれ別の試験時間帯とし,グループ①にお
いては以下のうちの1科目を選択させる。
グループ①:『数学Ⅰ,数学A』『数学Ⅰ』
グループ②:『数学Ⅱ,数学B,数学C』

 

理 科
出題科目は『物理基礎,化学基礎,生物基礎,地学基礎』,『物理』,『化学』,『生物』,『地学』の5科目とする。
『物理基礎,化学基礎,生物基礎,地学基礎』は「物理基礎」,「化学基礎」,「生物基礎」及び「地学基礎」の内容を出題範囲とする。
『物理』は「物理」の内容を,『化学』は「化学」の内容を,『生物』は「生物」の内容を,『地学』は「地学」の内容を,それぞれ出題範囲とする。
(注4)『物理基礎,化学基礎,生物基礎,地学基礎』の出題範囲(「物理基礎」,「化学基礎」,「生物基礎」,「地学基礎」)のうち,いずれか2科目の内容の問題を選択解答させる。
*出題科目の選択方法
出題科目の選択方法については以下のとおりとし,理科で一つの試験時間帯とする。
A:『物理基礎,化学基礎,生物基礎,地学基礎』において2科目の内容の問題を選択
B:『物理』,『化学』,『生物』及び『地学』の4科目から1科目を選択
C:『物理基礎,化学基礎,生物基礎,地学基礎』において2科目の内容の問題を選択
並びに『物理』,『化学』,『生物』及び『地学』の4科目から1科目を選択
D:『物理』,『化学』,『生物』及び『地学』の4科目から2科目を選択

 

情 報
出題科目は『情報』の1科目とする。
『情報』は「情報Ⅰ」の内容を出題範囲とする。
また,情報で一つの試験時間帯とする。

 

理科は現在の共通テストと余り変更ないようですね。今後大学入試のあり方に関する検討会議での取りまとめなども踏まえ、高校大学関係者の協議を経て、最終的には本年夏ごろを目途に文科省として出題科目・教科、正式に決定するそうですが、とりあえず速報として。

 

 令和7年度(2025年度)大学入試地理総合、歴史総合、公共、情報のサンプル問題

なお、下記からは 地理総合、歴史総合、公共、情報のサンプル問題も見られます。

www.dnc.ac.jp