知の泉

地方都市で子供に携わる仕事を、20年くらいやってます。受験・子育て・教育に関することやその他自分の知的好奇心をくすぐった話題を呟いています。時々自分で食べて美味しかったもの、これ欲しいなあというものも呟いたりしてます。

2020年大学入試はどうなる? 『大学入学共通テスト』で大学入試はどう変わる? 問題点はないのか?

2020年大学入試はどうなる? 2020年大学入試センター試験廃止後の『大学入学共通テスト』で大学入試はどう変わる?

 

大学入試センター試験に代わって2020年度から導入される新テスト「大学入学共通テスト」の原案がH29年4月13日分かったと朝日新聞デジタルが報じています。

「大学入学共通テスト」は、現在(2017年)の中3生からの導入となりますが、あっという間にその年はやってきますから、現在の中3生以下の人はもちろん、場合によったら現在の高校1年生だって万一『浪人』という立場になれば関係があるわけですから、今から『大学入学希望者学力評価テスト』(2020年からの新共通テスト)でどうなる?のか注目しておかなければいけません。

2020年大学入試 国語で記述式導入

 国語では2020年大学入試でどうなるかというと、記述式のための大問を設け、80~120字程度の問題を含めて3問程度を出題することを検討中とのこと。試験時間はいまの80分から100分程度に延ばし、結果は段階別で示すことを想定している。例えば、アパートの賃貸契約書を読ませて懸念される点を問うたり、自治体の街並み保存策について、長所と短所を説明させたりするような問題を検討している。

懸案だった採点は誰がするのか?(各大学が採点するのか、それともセンターがするのか)という問題は、センターが民間業者に採点を委託する方式になるとのこと。

2020年大学入試 数学の記述式導入

2020年大学入試で数学はどうなるかと言うと、記述式が導入される方向。図表を用いて考えたことを数式などで表す問題を3問程度出題し、試験時間は10分増やして70分程度を想定しているとのこと。

2020年大学入試 英語では民間試験(英検・TOEIC・TOEFLなど)を活用

2020年大学入試で英語はどうなるかというと、英検やTOEIC・TOEFLのような民間試験の活用し、成績は点数ではなく、段階別とし、6段階表示などを検討。各大学が2次試験の出願資格や試験免除、得点の加算に使うことを想定。

また、経済的な負担や離島・へき地の受験生などを考慮し、受験回数は高3の4~12月に2回までとする浪人生については別に検討する。いまのセンター試験の2技能の試験は23年度まで併存させ、その後は廃止する方向だ。

2020年大学入試『大学入学共通テスト』原案で残る問題点①

 前回のエントリーでも述べましたが、採点を民間業者に委託した場合、いくらマニュアルがあり、指導をする立場の職員がいるにせよ、所詮実際に採点するのはアルバイトか、せいぜい派遣社員ということにならないのでしょうか?アルバイトや派遣社員の能力を低く見ているつもりはありませんが、『明日から採点業務・・・』とか『採点したけど、けっこういい加減なもんだった』等とSNSでつぶやく人が出ないとも限りません。また、採点者、集計者、入力者等を採用する場合に(恐らく短期間限定の採用で、しかも一時期に大量の人間の採用が必要なはず)本当にその人には受験者の親族・利害関係者等がいないということをどうやって担保するのでしょうか?

2020年大学入試『大学入学共通テスト』原案で残る問題点②

英語の民間試験導入に今回突如?(私が知らなかっただけ?)「受験回数は高3の4~12月に2回までとする」という話。

確かに、例えば、TOICEは年10回試験日がありますが、全ての都市で毎回実施ではありません。また、例えば、東北地区だと11会場の実施なので、田舎暮らしだと、泊りがけでの受験も想定されます。そういった田舎と都会の不公平さを解消するという意味で「高3で2回まで」ということにするのでしょう。

 

しかし、都会に住んでいれば、「高1、高2の段階で、練習のつもりTOICEやTOEFLを受験する」ということも容易でしょうが、田舎暮らしだとそうはいきません。やはり住んでいる場所での不公平感はなくなりません。

 

今回名前が挙がっていませんが、ここ数年受験に利用している大学が増えているTEAPでは、現在7月、10月、12月の年3回受験が可能で、しかも成績は2年間有効ということになっていますから、高2から受験すると合計6回のチャンスがあることになります。それとの整合性はどうするのでしょう?

2020年大学入試『大学入学共通テスト』原案で残る問題点③

また、高3で2回までとなれば、高1・高2のうちに英検を取得しておこうという人が急増することも容易に想像がつきますが、試験会場・試験をする人の確保は大丈夫なのでしょうか?また、試験会場によって、スピーキングテストの面接官の差異(緩い採点・厳しい採点)は生じたりしないのでしょうか?

2020年大学入試『大学入学共通テスト』原案で残る問題点④ 

さらに 、問題なのは、高等学校での英検「自校会場」ってやつです。2級までの一次試験なら、自分の高校での英検受験をやってたりしますが、監督は高校の先生。問題も数日前には高校に届いています。届いた問題の管理だって学校、先生に任せっ放しが現状です。「自分の生徒の進路が決まるかも」となった時、事前指導の誘惑に負ける先生、学校がないと言い切れるのでしょうか?あるいは、1人で監督していたら、悪気はなくても、試験時間だって、「あっ、5分オーバーしちゃった」ということだってありえます。自校会場で、どこまで厳密性を担保できるのでしょう?じゃあ、そんな厳密性の担保できない自校会場は止めにして、全部公開会場にして、例えば現在のセンター試験みたいに各大学を会場にしようってなれば、今度は運営する大学側の負担が大きくなるし、遠くの受験会場まで、場合によっては前泊して受験しなくてはいけない生徒の負担も大きくなります。

2020年大学入試『大学入学共通テスト』原案で残る問題点⑤

英語外部試験導入に関する問題点としては、「点数ではなく6段階程度」で評価、という部分です。TOICE/TOEFLであれば、スコア何点から何点までは1とか2といった段階表示も可能でしょう。では英検はどうするのでしょうか?現在、大学入試の推薦、AO入試に英検を採用している大学では、大半が「英検準2級」または「英検2級」が出願要件になったりしています。6段階って、1級、準1級、2級A、2級、準2級、3級、で6段階です。まさか中学生でも受かる3級もその段階に含めるのでしょうか?また各大学が、その6段階を「出願資格」「試験免除」「得点加算」に用いることを想定しているとのことですが、その設定次第では、難関大学受験の生徒は「1級」か最低「準1級」を取らないと!ってなったりしないのでしょうか?英検のHPによれば、「2級が高校卒業程度」「準1級が大学中級程度」「1級が大学上級程度」となっていますから、少なくても難関大学受験者の多い高校での授業が、「大学レベルの英語の指導」になってしまう、(ならざるを得ない)ことにはならないのでしょうか?

 

いずれにしても、そういった問題点・どうなるんだろうという受験生の不安を早く打ち消すような制度設計をしてもらえることを強く願います。

 

最新の「大学入学共通テスト」についての情報は下記もご覧ください。

 

kasikoi.hatenablog.com