【INDEX】
- 英語民間試験 高校2年生の成績を使える条件まとめ~離島・へき地・経済的理由・病気・海外在住・既卒生(浪人生)~
- 英語民間試験 高校2年生の成績を使える条件まとめ~離島・へき地・経済的理由
- 英語民間試験 高校2年生の成績を使える条件まとめ~病気などやむを得ない理由の場合
- 英語民間試験 高校2年生の成績を使える条件まとめ~海外在住の場合
- 英語民間試験 高校2年生の成績を使える条件まとめ~既卒生(浪人生)の場合
英語民間試験 高校2年生の成績を使える条件まとめ~離島・へき地・経済的理由・病気・海外在住・既卒生(浪人生)~
2021年度大学入試から活用される(全部の大学ではありませんが)英語外部民間試験。
原則高校3年生で受験した2回の英語民間試験が対象となります。
現在高2年生の生徒からが対象となりますが、
「高校2年生で(2019年度に)受験した英語外部民間試験は使えるの?」
という疑問を持っている生徒・保護者の方も多いと思います。
基本的には2019年度に何かの英語民間試験を受けていたとしても、2020年度に行われる英語民間試験を再度受験することが必要です。(バカげているとは思いますが・・・)
しかし、下記のような条件を満たしていれば、高校2年生の時の英語民間試験の成績を利用できる可能性はあります。
以下、英語民間試験 高校2年生の成績を使える条件をまとめてみます。
文部科学省高等教育局 大学振興課大学入試室 平成 31 年3月 28 日付資料(以下「資料」)を改めて読んでみました。
受験年度の前年度の英語民間試験を利用できる条件は大きく分けて4つです。
〇離島・へき地に在住または経済的に困難な事情がある
〇受験年度に一定期間海外に在住
〇病気等のやむを得ない事情により受検できない
〇既卒生(浪人生など)
それぞれに、条件や利用できる英語民間試験の種類も異なるなど非常に複雑です。
私自身も今まで読み過ごしていたり、勘違いしていた部分もあるので、改めて自分の頭の中を整理する意味でまとめてみました。
なお、このまとめの中でも私の勘違い・読み間違い・理解不足があるかも知れません。お気づきになられた方はお知らせいただければ幸いです。
注意)
以下でまとめている英語民間試験が「使える」とか「使えない」と表現しているものは「大学入試英語成績提供システム」を利用する大学入試でのことです。
いわゆる推薦入試(今後「学校推薦型選抜」と呼ばれることになるもの)やAO入試(今後「総合型選抜」と呼ばれることになるもの)、あるいは私立大学の入試では、各大学の方針で、例えば従来型の英検の成績が出願条件になったり、加点条件になったりすることはあると思います。
したがって、従来型の英検やなどを受験しておくことが、自分の受験に有利に働く可能性はあります。自分の受験する大学・入試形態をよく調べておくことが必要です。
英語民間試験 高校2年生の成績を使える条件まとめ~離島・へき地・経済的理由
高校2年時に大学入試英語成績提供システム参加試験(以下「参加試験」という。)
を受検し、文部科学省が公表しているCEFR対照表のB2以上に該当する結果を
有する者で、次の①または②のいずれかの負担を軽減すべき理由があり、かつ、高
校の学びに支障がないと学校長が認めた者は、高校3年の4月から 12 月の2回に代
えて、その結果を活用することができる。
<負担を軽減すべき理由>
①非課税世帯であるなど経済的に困難な事情を証明できること
②離島・へき地に居住または通学していること
(以上「資料」から転載)
この「離島・へき地」というのは、思った以上に範囲が広いので、ご自身の住所が該当しているかどうかは下記を参照ください。
また、「経済的に困難」については、
「非課税世帯であるなど経済的に困難」な者の範囲は、高校2年生相当※に該当する学
年の7月1日時点で日本国内に住民票を有し、住民税所得割非課税世帯に該当する者とします。
※この場合の高校2年生とは、全日制の高等学校等に在学している者の場合のことで
す。次の者の場合は、それぞれ読み替えてください。
・4年制の高等学校等に在学中の者 ……………… 高校3年生
・中等教育学校に在学中の者……………… 中等教育学校5年生
・その他資格の者 ……… 資格・検定試験の受検年度の前年度
ただし、高校2年生に該当する学年の7月1日の時点で確認される世帯の経済状況がそ
の後急変することも想定されるため、高校3年生に該当する学年の7月1日時点で上記範囲に当てはまることが確認できるようになった場合には、例外的に本項の活用を希望する旨を追加で申し込むことを認めることとします
(以上「資料」から転載)
英語民間試験 高校2年生の成績を使える試験~離島・へき地、経済的に困難
以上のような条件(離島・へき地に在住または経済的に困難)の生徒が、高校2年生で以下の試験でCEFR対照表のB2以上の成績を取得した場合、高校2年生での成績が使えることになります。
ご覧のように、「英検(従来型)」や「英検CBT(準1級)」は使えません。「GTEC(Advanced)」も2019年度は使えません。
英語民間試験で対象となりそうなのは「GTEC(CBT)」「英検 準1級 2020 1day S-CBT」「TOEIC」「TOEFL iBT」「TEAP」といったところでしょうか。
ちなみに「英検 2020 1day S-CBT」は、今年2019年の11月から47都道府県で実施される予定のいわゆる新型英検です。
いずれにしても、受験会場数が限られた試験ばかりですから、離島・へき地条件あるいは経済的に困難な対象者が、高い受験料を払って高校2年生でわざわざ受験しに行くのかは疑問符が付きますが・・・
英語民間試験 高校2年生の成績を使える条件まとめ~病気などやむを得ない理由の場合
病気等のやむを得ない事情により受検できなかった等の者であって特別に配慮すべきとされた者については、受検年度の前年度の参加試験の結果を活用することができる。
(対象者の範囲)
(10) 「病気等のやむを得ない事情により受検できなかった等の者であって特別に配慮すべきとされた者」については、以下の条件を満たし、かつ、受検年度にシステムに登録された試験結果が2回に満たない者とします(例えば受検前年度に1回、受検年度に1回というパターンも可能です。また、受検年度に入院した後回復し、1回受検するという場合も対象となります)。
また、各学校におかれては、「特別に配慮すべきとされた者」が、本例外措置を活用す
ることを目的として、高校2年時に英語の資格・検定試験を受けるための対策を早めに始めるなど、受検準備の早期化につながらないよう留意してください。
なお、受検年度に被災した者については、災害の状況等に応じて取り得る措置を検討
することとします。
○ 受検年度の4月1日から 12 月1日までの期間中、病気やけがにより入院していた期間が通算 90 日以上の者
(以上、「資料」から転載)
病気・けがの場合(入院期間が通算90日以上)高校2年生の時の英語民間試験の成績を利用することができます。(ただし、入院証明書が必要)
英語民間試験の当日に風邪を引いたとかだとだめそうですね。
英語民間試験 高校2年生の成績を使える試験~病気などのやむを得ない事情の場合
ご覧のように、「英検(従来型)」や「英検CBT(準1級)」は使えません。「GTEC(Advanced)」も2019年度は使えません。
ただし、離島・へき地条件、経済的理由条件とは異なり、
英検3級(英検CBTと英検 2020 1day S-CBT)
英検準2級(英検CBTと英検 2020 1day S-CBT)
英検2級(英検CBTと英検 2020 1day S-CBT)
英検準1級(英検 2020 1day S-CBT)
を利用することができます。
ということは、やはり病気条件の場合は、B2縛りはないということだと思います。
今は健康でも、高校3年時に(考えたくはありませんが)病気やけがで長期入院ということはあるかも知れません。
そういった万一のことを考えると、高校2年生のうちに「保険として」上記の該当民間試験(GTEC CBTとか英検CBTとか英検 2020 1day S-CBT)を受験できる環境にある人は受験しておくのが良いのかも知れません。
この辺のところは、受験生・保護者・あるいは高校現場に対してもっと周知徹底する必要があると思います。なにせ、今年の試験なのですから・・・
英語民間試験 高校2年生の成績を使える条件まとめ~海外在住の場合
受検年度の4月から 12 月を含めた一定期間海外に在住していた者(6)は、受検年度
の4月から 12 月に受検した、参加試験と同種同名の海外の試験結果(7)を活用するこ
とができる。
これらの例外措置を受けようとする者は、通常の受検期間である高校3年の4月から
12 月の2回の試験の受検前に必要な手続きに沿ってセンターに申し入れる(8)(9)ことと
する。
(6)「受検年度の4月から 12 月を含めた一定期間海外に在住していた」ことについては、受検年度の4月1日から 12 月1日までの間に海外に在住していた期間が通算 120 日以上の場合に認められることとします。
この 120 日は連続した期間である必要はなく、例えば海外に在住している者が日本に一時帰国し、その後海外に戻ったような場合でも、海外に在住している期間が合計で120日以上であれば対象に含まれます。
<留意事項>
・「IELTS for UKVI(アカデミック・モジュール)」については、「原則として、毎年度全都道府県で実施する」という参加要件に関しては、海外での受検においては当該要件を加味する必要はないことから、「参加試験と同種同名」の試験として見做すこととします。
・「IELTS(ジェネラル・モジュール)」、「IELTS for UKVI(ジェネラル・モジュール)」及び「Computer Delivery IELTS」は対象に含まれません。
・「実用英語技能検定(英検)」及び「TOEIC® Listening & Reading Test および TOEIC®Speaking & Writing Tests」については、海外においても実施されていますが、海外における実施については対象外としています。
・日本で受検した参加試験結果との併用も可能とします。ただしその場合は、海外で受
検した参加試験と同種同名の試験と、日本で受検した参加試験をあわせて2回分までの
結果を活用できることとします。(例えば日本及び海外で1回ずつ受検、又は海外で2
回受検というパターンも可能です。)
(以上、「資料」から転載)
英語民間試験 高校2年生の成績を使える条件まとめ~既卒生(浪人生)の場合
既卒者(14)については、受検年度の4月から 12 月の2回までの試験結果と併せて受検年度の前年度の試験結果(15)を大学の判断により活用(16)できるよう提供できるものとする。
(対象者の範囲)
(14) 「既卒者」は、受検年度の前年度までに大学入学資格を得た者とし、(15)に示すように、「受検年度の前年度の試験結果」がシステムに登録された者である場合に、本項の活用が可能になります。
なお、2019 年度の高校3年生については、2019 年度に高校を卒業し、既卒1年目とな
った場合、2019 年度に参加試験と同種同名の試験を受検していたとしても、共通IDが付与されていないことから、受検結果はシステムに反映されません。
また、実施方針(追加分)の項目1(※ブログ主注 離島・へき地、経済的理由で高2の成績利用)については、既卒者は含まれませんのでご注意ください。
(本項の運用方法)
(19)本項の適用に関しては、既卒者の参加試験の試験結果について、受検年度の前年度の分も含めて活用するかどうかを各大学が判断の上、大学入試センターに必要回数分(例えば受検年度の2回分まで、もしくは受検年度の前年度2回分までを含めた計4回分まで)を要請することとします。
したがって、対象となる受検生は出願しようとする大学が何回分を活用する方針なの
かをよく確認するようご留意ください。また、各大学においては、出願しようとする受
検生が充分な検討期間を確保できるよう、事前に方針を明らかにするといった配慮をお
願いします。
(以上、「資料」から転載)
要は、既卒生(浪人生)は、
①高校3年生の時の英語民間試験の結果を2回まで使える可能性があるけれども、それは各大学の方針によって異なるので、自分の受験する各大学の方針発表をきちんと確認してね。
②しかし、2019年度の高校3年生は、共通IDが付与されていないから、浪人したら高校3年生の時受験した英語外部民間試験は利用できないですからね。
ということです。
以上、英語民間試験 高校2年生の成績を使える条件を、離島・へき地・経済的理由・病気・海外在住・既卒生(浪人生)の別にまとめてみました。
そもそも、この複雑な制度を、現在の高校2年生並びに浪人する可能性も考えれば、高校3年生、そしてその保護者に周知徹底するのは大変だと思います。
本音を言えば、個人的には英語民間試験の2021年度入試導入は撤回すべきと思っています。
しかし、どうしても導入するというのであれば、早急に周知徹底することが必要だと思います。
「これは複雑で大変だ」と気づいた者として、まずは周知の一助になることを願って、まとめてみました。