知の泉

地方都市で子供に携わる仕事を、20年くらいやってます。受験・子育て・教育に関することやその他自分の知的好奇心をくすぐった話題を呟いています。時々自分で食べて美味しかったもの、これ欲しいなあというものも呟いたりしてます。

デジタルスカー( Digital-Scar )を残すな~教育データ利活用ロードマップ公表に思う問題点

デジタルスカー( Digital-Scar )を残すな~教育データ利活用ロードマップ公表に思う問題点

2022/1/7時事通信

デジタル庁は2022/1/7、学習履歴など教育データの利活用に関する政府の取り組み方針をまとめた行程表を公表した。校外活動も含めた学びの情報を連携させるためのIDの導入などについて検討し、教育データを生涯にわたり蓄積・活用できる仕組みを構築する。2030年ごろまでに一人ひとりに合った個別最適な学習を可能にし、「自分らしく学べる社会」の実現を目指す。


 学校ごとに形式が異なる教育内容や活動に関するデータを標準化し、25年ごろまでに学校や自治体間でデータ連携を可能にする。データを活用した新たな学習法の創出などにつなげる。


 教育データは一元化せず分散管理し、IDによってひも付けする。塾や社会教育施設での学習履歴も連携対象とする。保有資格・技能のデジタル証明についても検討し、生涯学習を後押しする。

www.jiji.com

 


教育データ利活用ロードマップ
令和4(2022)年1月7日
デジタル庁
総務省
文部科学省
経済産業省

教育データ利活用ロードマップ

教育データ利活用ロードマップ2022/1/7

https://cio.go.jp/sites/default/files/uploads/documents/digital/20220107_news_education_01.pdf

 

教育データ利活用ロードマップ公表に思う問題点

上記の教育データ利活用ロードマップ。

54pにわたるPDFにツッコミどころはたくさんあります。

 

・「教育データの蓄積と流通」とかって書いてあるけど、「流通」ってことは「売買」されるってことなのか?そもそも教育のデータが売買の対象になって良いのかという問題点。

 

・生活に関する行動の記録、保護者との関係、挙句の果ては(本人の)勤務先・収入金額までデータに紐づけして、本人の意図しない先に情報が渡ることはないのか?という問題点。

 

・匿名加工の形とは言え、卒業後のデータも活用できるなら

「当〇〇塾の××コース受講生は、10年後の年収が平均に比べて△割多いというデータがあります!」

などという宣伝も将来できることになりますね(個人的妄想ですが驚愕!)

果たしてそれは誰が得をするのかという問題点。

 

他にもたくさんありそうですが、今日のところはこのくらいにしておきます。

デジタルスカー( Digital-Scar )を残すな

様々な問題点はあると思っていますが、私が一番問題点だと思っているのは、

 

本人が「忘れたい」「知られたくない」情報・記録まで生涯デジタル記録上には傷として残ってしまうということです。

 

将来何かのタイミングで自分がデータにアクセスしたときに「忘れたい(あるいは忘れてしまっていた)情報・記録」を思い出してしまうこともあるかも知れません。

 

あるいは、「知られたくない情報・記録」が本人の意図に反して他人に流れる可能性も否定できません。

 

そもそも、現在や過去の経緯にかかわらず、学び続けていくことで「今までとは違った自分」を発見していくことが学びだと私は思うのです。

 

一生涯、過去の自分の情報・記録に縛られて生きていくことをみんなが望むと政府は思うのでしょうか?

 

政府は、教育データを利活用するメリットを大きく掲げていますが、そういった 過去の傷=Scar が 生涯にわたってデジタルスカー( Digital-Scar ) として残ってしまうという問題点を考えると、教育に関するデータは、限定された部分を限定された人が(例えば当該学校)利用するといったことにとどめるべきだと思うのです。

 

※デジタルスカー( Digital-Scar )とは、Digital 上に記録され残された 知られたくないあるいは忘れてしまいたい 過去の傷 Scar という当ブログ主の造語です。

 

以上、デジタルスカー( Digital-Scar )を残すな~教育データ利活用ロードマップ公表に思う問題点についての思いを書き留めました。

kasikoi.hatenablog.com